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岩田 徹

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第136回 伝統

2023/07/21

品川翔英高校硬式野球部の中村くん。3年生。
中学時代はクラブチームで硬式野球をしていたそうですが、
色々と合わないところがあり退部。
高校進学の際、野球部のない品川翔英高校を選択。
入学直後に廊下で野球の動画を見ていたところ、
「野球部作りたいんだけど一緒にやらないか。」
と先生に声をかけられたことがきっかけとなり、
仲間を誘って10人で野球同好会をスタートさせました。

しかし、練習場所となるグラウンドはなく、校舎裏の空きスペースで練習。
たまに行う練習試合の相手も中学生や草野球チームだったそうです。
同好会では大会に出場できず、部活動として認めてもらうために生活態度にも注力。
毎週末には清掃活動を行い、一生懸命仲間と時間を過ごしていました。

そして昨年、部活動として認めてもらい、夏の大会に初出場するも0-20のコールド負け。
自身もノーヒットに終わったそうです。
そして迎えた最後の夏。
初戦で念願の初勝利を掴んだものの自身はノーヒット。
2回戦もノーヒットに終わり、チームもコールド負け。
ですが、0からチームを作り上げた充実感と達成感に溢れていたようです。
同好会から部活動への昇格を目指した生活態度の見直しと清掃活動。
チーム全員の思いや努力があってこその貴重な夏の大会。
負けはしましたが、大会での上位進出を後輩に託し、
清々しく高校野球の幕を閉じたそうです。

品川翔英高校の中村くんはじめ、同好会を立ち上げた仲間は、
様々な思いや葛藤を経て、高校野球に取り組んだことと思います。
この創部メンバーの想い、努力を後輩たちがいかに受け継いでいくか。
生活態度や清掃活動は良い文化、伝統として引き継いでいけるか。
それは今後の後輩たちにかかっていると思います。

会社においても各社において創業期の想い、その時の努力があると思います。
今があるのは過去を作ってきた先人たちがいるからこそ。
3年間で終わる高校野球は先人が抜けていくので受け継いでいく難易度は高くなりますが、
会社においては退職しない限り、先人たちの想いはダイレクトに伝えることができます。
会社として大切にしている想い、考え。
良い伝統として受け継いで、成長発展へと繋げていきたいですね。