1996年のこと。重度の病気を患う息子を自宅で1人看病していた老母が急死。その後息子も亡くなり、2人が1カ月後に発見されるというショッキングな事件が東京で起き、今後の超高齢社会も見込まれ、大きな話題となりました。
そのニュースにショックを受けた、ある医師が「象印マホービン株式会社(象印)」に「日用品を利用して、高齢者の日常生活を見守る仕組みができないか?」と相談したことから始まったサービスがあることをご存知でしょうか。
開発当時の社内の雰囲気は「高度な専門技術が必要な通信の仕組み作り」には困難なイメージがあり、「大半が反対」していたそうですが、創業者の孫にあたり現在の代表取締役である市川氏だけは、「これからの時代に向けて絶対にやるべきだ」と主張し、見守りサービスの開発を進めていったようです。
そして「NTTドコモ関西」や「富士通」などの協力を得て、5年かけて商品を完成させたとのこと。
それが、電気ポットを使った見守りサービス「みまもりほっとライン」です。
見守られる側が普段通りに使っているなら、見守る側もメールを見るだけで普通に過ごしていることが分かり、何か異変を感じた時には、いち早く行動に移すことができる、とのこと。
契約の初期費用は5500円(税込み、以下同様)で、使用料は月額3300円。
最初の1カ月はお試し期間として無料で使えます。
電気ポットもレンタルなので端末代はかかりませんし、5年サイクルで新品に交換されるとのこと。
通電さえすれば通信機能が有効になるので、利用者はごく普通の電気ポットとして使うだけでよく、Wi-Fi環境などもいりません。
超高齢社会が迫っている日本。人々の良心、誠実な心から、ますます新たなサービスが生まれることでしょうね。