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岩田 徹

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第121回 献身

2023/04/07

W B Cでの世界一獲得の余韻が残る中、2023年の野球シーズンが始まりました。
日本代表チームの所属選手が各チームに戻り、早速活躍を見せています。
アメリカの地でも主力選手として活躍を見せ、
WBCの盛り上がりがそのまま継続していることを感じます。

そのWBCでチームの一体感やムードを作り出したと言われている、
チーム最年長だったダルビッシュ選手。
日本が世界一を獲った第2回大会の胴上げ投手。
多彩な変化球を操り、メジャーリーグでも長く活躍しているトップ選手です。
今回代表に選出されたメジャーリーグの選手たちは、
チーム方針から代表チームへの合流は遅れましたが、
ダルビッシュ選手だけは日本国内で開催された宮崎合宿から合流を許され、
初日からチームに合流しました。

メジャーのトップ選手、チーム最年長。
国内で選出された選手たちは20代前半の若手が多く、
距離感を掴むのが難しい状況だったと思いますが、
ダルビッシュ選手から声がけを行うだけでなく、
自ら習得してきた技術を惜しみなく伝えていました。
ダルビッシュ選手自身のコンディションの向上よりも、
チーム内で各選手が力を発揮できるように随所で力を発揮されていました。

代表としてのプレッシャーを感じる若手選手たちには、
「あくまでも野球だから。そこまで背負い込むことはないよ。」
と言ってリラックスさせたり、
コンディションが上がらないと感じていた選手の投球に付き添い、
具体的アドバイスと客観的な状況を伝え自信を持たせたり。
1選手としての動きだけでなく、コーチの役割を果たし、
各選手の意欲向上とチーム力の向上に一役も二役も買っていました。

大会を通じてダルビッシュ選手自身の調子はよくなかったと思いますが、
チームに与えた影響は計り知れないものがありました。
世界一獲得後、第1回、第2回の世界一メンバーである、
イチロー選手、松坂選手からは、ダルビッシュ選手の献身性だけでなく、
世界一の日本野球の伝承に尽力していたことに感謝の意を述べられていました。

チームの中でも一目置かれる選手がチームに与える影響の大きさを、
テレビ画面を通じて改めて感じた1ヶ月間でした。
ダルビッシュ選手の役割を、自社、自組織で果たす方がいますでしょうか?
そういった社員が出てくるといいですね。