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岩田 徹

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第106回 段取り8分

2022/12/23

世界各地で開催された予選を勝ち抜き、
世界のトップ選手が集い凌ぎを削り合った1ヶ月64試合。
サッカーワールドカップカタール大会は大盛況で幕を閉じました。
日本代表もドイツ、スペインという強豪2カ国に勝利し、
見事、2大会連続の決勝トーナメント進出を果たしました。
残念ながら1回戦のクロアチア戦に敗れ、目標としたベスト8以上は
4年後以降に持ち越しとなりましたが、選手たちの勇敢な戦い、
そして感動的な勝利に大きく胸躍らされました。

選手たちの躍動する姿にプロ選手のレベルや意識の高さを感じたことはもちろんですが、
TV観戦させていただいた中でプロの仕事を感じたのは、実況のアナウンサーでした。
特にクロアチア戦。
相手の先発メンバーには、
リバコビッチ、バリシッチ、ユラノビッチ、コバチッチ、モドリッチ、
ブロゾビッチ、ペリシッチ、クラマリッチ、ペトコビッチ
と、早口言葉でも覚えづらい選手の名前が並びました。
さらに控え選手には、
グルビッチ、イブシッチ、エルリッチ、ブラシッチ、パシャリッチ、
スチッチ、ヤキッチ、オルシッチ、そして監督はダリッチです。
これらの選手のパーソナル情報をインプットし、目まぐるしく変化する戦況に応じて
的確に選手の紹介をし、初めて観戦される方、サッカーに詳しくない方にも
わかりやすく状況を伝える。
キーとなるプレーには解説の方に話を振り、わかりやすく状況を説明する。
90分、延長が入れば120分、視聴者に違和感を感じさせることもなく、
さらに試合にのめり込めるような実況を続け、スタジアムの熱を伝える。
これは容易いことではないと思います。

実況を担当するアナウンサーの方は、担当する1試合において、
チームや選手の細かい情報まで事前にインプットするために、
何十枚にも及ぶ原稿を自作されているそうです。
何気なく観戦していた試合でしたが、そこには表に出てこない多くの方々の努力があって
放送が成り立っているのだと改めて感じました。
段取り8分。
どんな仕事でも事前準備を抜かりなく行いたいものですね。