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長谷川 満

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第55回 人材の育成時間を短縮するには?

2021/12/29

日々、人事の現場に立ち会うと
企業などの組織は、
「人」に関する課題やお困りごとは
尽きないものだと感じている。

先日も、
クライアント先での役員会に参加し、
その後、会食をご一緒したのですが、
「人」に関する話題が尽きなかった。

組織内にどう経営方針をつくり、
浸透させるのか?

人材採用をどのように行っていくのか?

人材育成をどのように行っていくのか?

事業承継をどのようにおこなっていくのか?

などなど。

「人」に関する課題やお困りごとは、
短期的な視点と中長期的な視点で
考えていくことが大事になります。

実際、新卒採用をするとなると、
採用活動が1年程度と長期に渡ります。

さらに人材を採用したらしたで
育てるのにも時間がかかります。

そんな状況ですから
中小企業経営者は、
「そんなに大変なのであれば、やらないのが一番」
と考えてしまうのも理解できなくはありません。

しかし、「大企業だけでなく、
中小企業こそ新卒採用を行うべき」
だと考えています。

なぜ、むしろ中小企業の方が
新卒採用をすべきなのでしょう?

新卒採用を行うメリットを簡単にまとめておきますと、
新卒社員の良さとは、
◆人の話を素直に聞ける
◆他社を経験していないため、余計な先入観がない
◆社長の理念を浸透させやすい
◆社内をまとめやすくなる
◆総じて仕事にひたむきである
・・・といったことが考えられます。

中小企業は大企業に比べて
一人当たりの役割の重さがあります。

ですので、新卒採用には
より力を入れるべきなのです。

ここでご注意いただきたいのが
「新卒は育てるのに時間がかかる」
という言葉自体が、
実際は非常にアバウトな言葉であるということです。

実際、ベテランの人たちは、
自分たちが概してどれくらいで業務を覚えたのか?
ということを忘れていることが多く、
先入観で
「新卒社員を育てる=時間がかかる」と
思っている節があります。

新卒社員に限らず、
「採用」を考えた場合、
最初に「彼らが一人前になるまでに
どれくらいの時間がかかるのか?」
ということをあらかじめ見積もっておく必要があります。

そうした予測値を数値化していかない限り、
固定観念にとらわれてしまい、
いつまで経っても新卒採用に
一歩を踏み出すことができません。

それでは、この
「新卒社員を育てるのに時間がかかる」
という問題について、
会社はどのように対処していけばいいのでしょうか?

方法の一つとしては、
「元気のいい新卒社員を採用して育てつつ、
同時に業務の仕組み化をしていく」
ことです。

例えば
「育つのに1年かかる」と言われている業務であっても、
その仕事を棚卸して効率化することを模索し、
さらにマニュアルに落としこむことによって、
育成期間を半年に短縮出来れば、
半分の時間で育てることができるようになります。

このように、人材採用を行う場合は、
欠員補充を最終目的にするのではなく、
育成までを視野に入れながらも
組織づくりの一環として進めていくことが大切なのです。