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星 寿美

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第33回 『経営者は孤独』ではない⁉︎

2021/11/28

よく『経営者は孤独』と言われますし、その通りだと思います。
しかし本当に文字通りの意味なのか?この記事で深掘りしてみたいと思います。

もしかしたら、孤独を活かし『人を巻き込む力』や『人を動かす力』があれば、孤独ではないのかもしれないからです。

・そもそも、誰もが孤独
・立場的にどうしても経営者は孤独
・孤独ではない立場であるのも経営者

という流れで考察していきます!

そもそも、誰もが孤独

実は、人間は誰もが孤独なのだと私は思います。
お互いに完璧に相手を理解し合うことは不可能だからです。
理解し合っていると勘違いしあいながら成り立っているのがコミュニケーション・・・なんて書いてしまうと寂しい文章に見えるかもしれません。

でも、誰も本当には理解し合えない、だからこそ響きあえたら嬉しいし、分かり合えた(と感じた)ら、喜びを感じるのです。
誰もが孤独だからこそ、誰かと繋がりたいし、繋がれたら嬉しいのでしょう。

また『孤独』ということを「寂しいもの」「よくないもの」と捉える風潮がありますが、孤独は悪いものではないと私は感じています。
多分、経営者の方々には共感していただける部分かなと思います。

『人と同じことをしていた方が安心だ。』というような感覚では【ない】からこそ、経営者なのだと思うからです。

でも孤独が怖い、と感じる方も多いですよね。
確かに、私も小学生の時には、家に居場所がなく(全否定され)、学校でもいじめにあい、誰とも話せる人がいなくて、その状況に、当時は苦痛を感じていました。

例えばこのような、自分ではどうしようもない環境で孤独になることもあります。
子どもは住む家も一緒にいる人も自分では選べないし、逃げるという選択肢もなかったので仕方ないと思います。

しかし、大人になれば違います。
仕事も、住む場所も、誰と一緒にいるかも、全て自分で選択できます。(今の状況・環境は自分が選択している結果です。)

私ごとで恐縮ですが、18歳で自活をはじめてから、お風呂なしの4畳半の部屋が、私のお城になりました。
幼少期に居場所がなかったからこそ、自分の空間や時間を大切にできたのだと思うのです。
だから、幼少期の孤独感も役に立ったなぁと感じています。

という背景もあり、私は、一人の世界を楽しむことが好きで、その時間は完全に孤独です。
そういう時間を大切にできるから、大勢で楽しむこともできます。
逆に孤独な時間を大切にできなければ、大勢が苦痛になると、私は感じています。
もちろん、これは私の話で、色々なタイプの方がいらっしゃるかと思います。

身内に、対人恐怖症で人とのコミュニケーションが苦痛という人がいます。
彼女は、人と関われないけれど孤独が怖い。孤独は怖いけれど人はもっと怖い。そんな状況の中で、苦しんでいます。

だから、孤独と一言に言っても、人それぞれなのだと思います。
ただ、生まれてくるのも一人、死んでいくのも一人。
そもそも人間は・・・本当の意味では理解もし合えない、誰もが孤独な存在だという意識は大事かなって思います。

孤独が怖い、という人の話を聞くと「自分だけが、自分一人になるのが怖い」というニュアンスを感じるからです。
大丈夫!人間はみんな、そもそも孤独な存在だから。

立場的にどうしても経営者は孤独

さて「経営者は孤独」と言われていますが、それは当たり前です。
会社を経営しているのは、経営者で、それ以外は全員が会社に雇われている人なのですから。

だから、全く同じものを見ても、全く同じ言葉を話しても、そもそも『立場・視点視野』が違うので。

ただでさえ、人は本当には理解し合えない上に、経営者という立場は、誰からも理解されない立場だと言えるかもしれません。

さらに、判断に責任がある、プレッシャーの重さもあります。
経営者でない人には、到底、理解されない感覚は、経営者たった一人のものです。
しかし、孤独ではないのも、また経営者です。
どういうことでしょうか?

孤独ではない立場なのも経営者

経営者が孤独ではない立場だと私が感じている理由は2つあります。
これからお伝えする2つの理由は、実はどんな立場の人々にも共通しています。
けれど、経営者が一番活かすことのできる立場だという意味です。

1.自分と繋がっているから
誰もが、意識的にせよ無意識にせよ『自己対話』をしていませんか?自分と自分との関係が重要です。
自分と自分との関係がいいと、孤独は怖いものではなくなります。

自分との関係がいいとは、自分が自分の一番の理解者であり、味方である、という状態のこと。

そして、自分の描くビジョンに向かって人生を創造する。
それは誰もが可能ですが、制約が少なく決定権のある経営者は特に可能性が広がります。

経営者は、自分がどんな未来を創造したいのか?そんな自分の想いから日々、決断をし、行動しています。
自分と繋がって、自分と共に生きている。だから、実は孤独ではないのだと思います。

2.人を巻き込んで世界を創造しているから
自分が思い描くビジョンに人を巻き込んで、ビジョンに向かって邁進しているのが経営者。
社員や、取引先や、さまざまな人を巻き込みながら、望む世界を創造しています。

会社組織という枠組みで考えれば、理解されづらい立場かもしれませんが、そもそも、その会社自体も経営者の世界観の一部です。
社員一人一人の自己実現を応援しながら、同時に自分の世界を創造しているので、実は孤独ではないのだと思います。

「経営者は孤独ではない⁉︎」を私の視点(主観)で考察してみましたが、さて、あなたはどんなふうに感じたでしょうか?きっと答えは人の数だけあると思います。
自分ごとで考察する機会にしていただけたら幸いです。