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星 寿美

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第233回 部下にイライラしてるリーダーへ、変えるべきは人じゃなく関係性

2025/10/20

「どうしてあの部下は変わらないんだろう?」
「何度言っても同じミスをする」
「もっと主体的に動いてほしい」

リーダーの多くが、一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
でも、冷静に考えてみると、人は『他人から変えられる』ものではありません。
いくら正論を言っても、どれだけ叱っても、本人が納得していなければ、行動は変わらない。
むしろ、押せば押すほど反発や無力感が生まれるのが人間です。

リーダーがハマる『変えよう病』

真面目で責任感のあるリーダーほど、「何とかしてあげたい」と思う。
そして、つい相手を変えようと関わってしまう。
でも、それが「指導のつもりが、支配になっていた」なんてことも多いのです。

たとえば、
「もっとこうしたら?」「なんでやらないの?」という言葉の奥には、相手を自分の思い通りにしたいという無意識が潜んでいます。
この状態では、相手の心は閉じます。
つまり、『変えよう』とした瞬間に、関係は動かなくなるのです。

ある中堅リーダーの話です。
入社3年目の部下が、何度言っても報連相をしない。
「また勝手に判断して失敗してる!」と、つい感情的に叱ってしまう。

「どうして報告しないんだ!」「何回言えばわかる!」その繰り返し。
部下も次第に萎縮し、さらに報告を避けるようになっていきました。
そんなとき、リーダーは気づいたのです。
「もしかして、俺の言い方が怖いのかもしれない」。
そこで、次の報告のとき、関わり方を変えてみました。
「失敗してもいいから、まずは早めに教えてほしい。一緒に考えたいんだ。
たった一言でした。
その瞬間、部下の表情がふっと緩んだ。

次の日から、少しずつ報告が増え、相談も増え、いつの間にか、自分から動くようになっていたのです。
リーダーが変えたのは、表面的には、『言葉のトーン』と『関わり方』だけ。
そして、部下に対する気持ちの変化もありました。
「リーダーの自分だけが正しいわけじゃない、一緒に成果を生み出したい!」というふうに。
でも、それによって関係が変わり、行動が変わった。
この順番が大切なのです。

関係を変えれば、行動は自然に変わる

関係性とは、相手をどう見ているか、ということ。
「どうせできないやつ」ではなく「できるようになりたい人」と見れば、かける言葉も、接し方も、全く違ってきます。
つまり、こちらの『見方と関わり方』を変えれば、相手の行動は自然に変わっていく。

たとえば、
「なんでできないの?」ではなく、「どうしたらできると思う?」と聴く。
「報連相が足りない」と責めるのではなく、「どうしたら話しやすい環境になるかな?」と一緒に考える。

その瞬間、上下の関係から、協働関係に変わります。この変化こそが、組織を自走させる第一歩です。

結局のところ、人はコントロールできないけれど、関係性はいつでも変えられます。
相手を変える努力より、「どう関わればこの人の力が引き出せるか?」そこに知恵と情熱を注ぐリーダーこそ、チームを自走させるリーダーです。

相手を動かそうとするより、関係を動かすほうが、ずっと早くて気持ちがいい。
ただ、私たちはその習慣がないだけ。だからつい、人を『変えよう病』にかかってしまうのです。
今日からは、人を変えるのではなく、『関係を変える』。そのほうが早く、楽で、そして確実にうまくいきます。そんな習慣を、あなたのチームにも育てていきましょう!

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