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加倉井 正和

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第148回 2024年問題

2023/10/10

昨日の10月9日は、「トラックの日」。
10と9で「トラック」と読む語呂合わせから、
公益社団法人全日本トラック協会が1992年に制定しました。

トラックの日から1日過ぎましたが、物流の2024年問題を。

2018年6月に「働き方改革関連法案」が成立し、2019年4月から労働基準法などの関連法令の改正が順次施行されています。

時間外労働は、原則「月45時間、年間360時間」と規定され、大企業では2019年4月、中小企業では2020年4月から施行されています。

しかし、2024年3月末まで猶予となっているのが物流・運送業界です。
業務の特性上「年間960時間」の上限制限が適用されます。
この規定が、2024年4月から実際に適用されるようになります。

そうなるとドライバーの長距離運転や労働時間が少なくなることで、輸送能力が不足して「モノが運べなくなる」可能性が懸念されています。
さらに、物流・運送業界の売上減少、トラックドライバーの収入の減少なども考えられます。
このことが「物流の2024年問題」です。

モノ(荷物)に対して、ドライバー(輸送能力)が不足することで、2030年には「34.1%」の輸送能力が不足するとの試算もあります。

安心・安全を担保する為にも、心も体も良い環境で労働することは大切です。
しかし収入が減ることで、そのバランスを保つことは難しいのではないでしょうか。

「労力、成果、対価」
長く続いた社会の仕組みを、どのように変化させていくのか。
その為には、どのようなことが、どうのように必要なのか。

荷物が次の日に届く。
病院に行けば医者がいる。
保育園に子供を預ける。

当たり前だと思っていることには、支える人がいることで成り立っている。
今一度、感謝しなければと思いました。

その支えている人が、安心できる仕組みがあると良いですね。