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益田 和久

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第86回 社員としての必須スキルとは

2022/10/27

未だコロナ禍が収束する状況がなかなかみえてきませんが、研修業界ではアフターコロナに向けて動き出してはいます。
具体的には対面研修が増えてきたことやオンライン半日という“参加しやすい設定”が増えてきました。
対面とオンラインの使い分けがより明確になってきたような気がします。営業現場ではリモート商談が着実に増えてきて、社内の打ち合わせでもZoomやteamsなどのオンラインツールを使うことも当たり前の光景になってきました。
業務でオンラインコミュニケーションをする人が日増しに増えていますね。
PCスキルと同じく、ビジネスパーソンの必須スキルといっても過言ではないでしょうか。

そんな状況を踏まえ、最近お客様から「オンラインコミュニケーションの必要最低限のスキルはどのようなものか」という質問をいただきます。
というのも、リモート商談やオンライン会議が増えてきているとはいえ、その頻度はかなりのバラツキがあります。
営業や購買などの社外とやりとりすることが多い人は、当たり前のようにオンラインツールを使いこなしていますし、頻度に応じて経験値やスキルも上昇していきます。
一方でオンラインツールを使う場面がほとんどない方からすると、自分にとってはそれほど必要のないツールであり、強化しなくてもいいスキルだと思うのが普通です。

ただし、業務の効率化や合理化を推進していく上では、オンラインコミュニケーションを浸透させていくことは不可欠ですし、世の中全体がそのような方向に進んでいくことは確実なので、会社も人も乗り遅れるわけにはいきません。
今や携帯電話を持たない方が希少ですし、ガラケーもなくなる前提でスマホ人口が老若男女問わず増えています。
電子メールが社内に導入されたときは、自分でメールの受送信ができない年輩の方が数多くいらっしゃいました。
Word、Excel、PowerPointのビジネスソフトも、最初は部下に指示をして書類を作成させる管理職も多数いました。
今やそんなことをしていたら、戦力外通告をされてしまいますし、ほとんどの方が、ある程度の操作はできるはずです。

ただ、この“ある程度の操作”というのが、扱うものによって違います。
メールソフトであれば単なる送受信なので大したことはありませんが、Word、Excel、PowerPointは、“ある程度の操作”の幅はかなり広いのではないかと思います。
とはいえ、わからないことがあれば、ネット検索をすればほとんどのことが載っていますので、作業時間とやりたいことのバランスを考えて、スキルの高い人に手伝ってもらうということになるのだと思います。

オンラインコミュニケーションも同じで、まずはZoomやteamsなどの社内指定ツールが“ある程度使える”ということになってくるのだと思います。
自分で会議を設定して参加者を招待する、ホワイトボードが使える、ブレイクアウトルームが設定できるといったことが、基本スキルということになってくるのでしょうが、社員としての必須スキルということにするなら、明確に定義はしておかないといけないですね。
これと同様、DX化の推進についても、業種によって展開イメージやスケール感も異なりますが、そのスキルやリテラシーの取得が、社員の立ち位置によって変わってくることが共通していると思います。
先般も某ゼネコンさんから相談を受けて、いろんな業者さんを紹介して検討していただきましたが、必須スキルを体系化するのには、かなり時間がかかっているようです。

このことは、社業の基本的な知識、スキルということにも関係してきます。
住宅メーカーは、社員に求める住宅の必要最低限の知識をどう定義するのか、情報システムは、社員にどこまで情報処理のスキルを求めるのか、各社の定義があるとは思いますが、全社として何か新たなことに取り組んでいくときには、最低限ここまではみんなできるようになろうという一つの基準が必要であるし、社内の人材の底上げにもつながるのではないかと思う今日この頃です。