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長谷川 満

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第11回 疲弊しない組織づくり

2021/02/24

今回は、「疲弊しない組織づくり」について、書かせていただきます。

クライアントの中には、会社や店舗をいくつも持ちながら、それでも「組織づくりが上手くいかない」と悩んで相談される方がいらっしゃいます。

だいたい、中小企業の社長も、多くはかつて自分もサラリーマンで、独立したという方がほとんどです。

そこから社長になる人はほぼ、自分に営業力がある人か、技術職かに分かれます。
いずれにしても、自らが何らかの能力に秀でているものです。

営業が強い社長は、本業を広げることに長けています。
一方で技術型の人は、自らはあまり広げなくても、その技術力に惹かれて、顧客からのオファーが途切れません。

特に技術屋タイプの社長は、組織を拡大するのが苦手な傾向が見られます。
顧客から求められているため、組織を広げていく必要がありますが、それができません。

そういう人は、「人を雇おうにも、良い人材などは簡単には見つからない」と思い込んでいます。
「人はなかなか育てられない」と、自分の中で勝手に基準を決めてしまうのです。

ですから、そういう経営者には、こちらから働きかけて、その狭まっている思考を、広げてあげないといけません。
このように、経営者のタイプによって、こちらのアプローチの仕方も変わります。

大切なのは、社長に現状を認識していただくことです。

「社長ありき」になっている会社の組織は、疲弊していきます。
社長に何かあった場合、会社と社員はどうなるのでしょうか?

それに気づいた方は、会社の規模や社員数には関係なく、私のところへ相談されることがあります。

大事なのは、会社の大きさではなく、組織がしっかりしているかどうかなのです。
その会社の組織がしっかりしているかどうかの目安の一つは、組織図があること。
組織図をつくる意味は、「明確化」です。

何となく組織がある。
会社が小さい時はそれで良くても、人数が増えるに従って、それでは無理が出てきます。

それをちゃんと図にして落とし込まない限り、人の頭の中は考えていることが違いますから、役員、管理職、社員と、誰も会社の本当の姿を理解できません。

そうなると、たとえば社員が、本来やるべき業務をやっているようでやっていなかったり。
または違う人が同じ仕事をしているような事態となって、効率が悪いのです。

そうした事態は、曖昧さが招いたものです。

それは、人に仕事が付いている状態です。
何か問題が発生しても、「この人が解決してくれるだろう」となり、結果、対応が後手後手に回ります。
これでは、治療人事です。

「人ありき」を「仕事ありき」という体制に変えていく。
それが本来の組織づくりであり、予防人事なのです。