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星 寿美

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第228回 「承認が欲しい!」社員をどう扱うか

2025/09/15

「承認が欲しいんです!」
こう堂々と言ってくる社員は少ないですが、実際には多くの人が心の奥でそう感じています。

たとえば、
・「これ、やったんですよ!」と逐一アピール
・評価や昇進に異常に敏感
・褒められるとモチベーションが爆上がり

これらは全部「承認欲求」の表れです。
そして…、
「承認欲求が強い社員は扱いにくい」
「承認ばかり求めて、成長しないんじゃないか」
そう思うリーダーもいるでしょう。
でも実は、承認欲求は人間にとって自然なエネルギー源。
「見てほしい」「認めてほしい」は、生存本能に近いものです。
ですから、否定する必要はありません。
むしろ活かすことが大事なのです。

ただし、ここで注意点があります。
承認欲求を満たすために「とにかく褒める」「頑張ったねと言う」だけでは、逆効果になることも。
なぜなら、承認は「与える側」に依存してしまうから。

「褒められないと動けない人材」が育ってしまう危険があるんです。

成長につながる承認の使い方

ではどうすればいいのか?
ポイントは 「行動」ではなく「姿勢」や「価値観」に目を向ける承認 です。
例を挙げましょう。

「この企画、最後までやりきったのがすごいね」
→ 行動を評価しているようで、実は「やりきる姿勢」を承認している。

「その改善提案、みんなを良くしたいって気持ちが伝わってきたよ」
→ アイデアそのものよりも「周囲を思う気持ち」にスポットを当てている。

このように「存在」や「姿勢」を承認することで、本人は「自分は価値のある人間なんだ」と感じ、依存ではなく自己肯定感として育ちます。

承認欲求が強く見える人の多くは、実は「不安」を抱えています。

・自分は役に立っているのだろうか?
・この努力は意味があるのだろうか?
・自分はここにいていいのだろうか?

こうした不安を埋めるために「承認」を求めるのです。
ですから、リーダーができる一番のことは 「安心できる土台をつくること」
安心があれば、過度な承認欲求は自然に落ち着きます。

一人ひとりの「自分との関係」を深める

ここで忘れてはいけないのが、承認の土台になるのは「自分との関係」だということです。
どれだけ周囲に承認されても、本人が自分を認められなければ満たされません。

逆に、自分と仲良くできる人は、他者からの承認に過剰に振り回されません。
今の社会は、この「自分との関係」がすっぽり抜け落ちている。
だから問題が複雑化し、肥大化しているのです。

一人ひとりが自分と向き合い、自分を大切にできるようになること。
これこそが、自走組織の本質です!

その本質の上で、さらに自走組織を目指す上で大切なのは、「承認をリーダーから与える」状態をゴールにしないこと。
理想は、チーム内で自然に「承認し合う文化」があることです。

・互いの努力に「ありがとう」
・成果だけでなく、チャレンジしたことに「ナイス!」
・失敗から共に学んで「次いこう!」

こういう空気のある組織では、承認欲求は「成長欲求」へと変わります。
「もっとやってみたい」「挑戦したい」というエネルギーに変換されるのです。

まとめ

承認欲求は決して悪ではありません。
けれど、扱い方を間違えると依存を生みます。

・「行動の背景」や「姿勢」に目を向けて承認する
・「安心できる土台」を整える
・「承認し合う文化」を育む

これらを意識するだけで、承認欲求は大きな成長エネルギーに変わります。
そして忘れてはいけないのが、その根底にあるのは 一人ひとりの『自分との関係』 だということ。
今の社会はここがごっそり抜け落ちているからこそ、問題が複雑化しているのです。

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