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長谷川 満

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第200回 人事部長は投資対効果を考えて人材採用を行え!

2024/10/09

企業の成長を左右する
重要なファクターの一つが
「人材採用」です。


優れた人材を採用できるかどうかは、
企業の競争力、ひいては業績に
大きな影響を及ぼします。


しかし、採用活動には多大なコストがかかり、
また「良い人材」の定義も
企業によって異なるため、
費用対効果(ROI: Return on Investment)を
考慮しない採用は
企業にとってリスクが高いものです。


◆採用活動の費用対効果を理解する

まず、人材採用における
費用対効果とはどのようなものでしょうか?


簡単に言えば、
「採用活動にかけた費用(投資)に対して、
その結果得られた人材のパフォーマンスや
企業への貢献度(リターン)がどれほどか」
ということです。


採用活動には広告費、
採用担当者の人件費、
面接にかかる時間や
入社後の教育コストなど、
様々な費用が発生します。


それに対し、
採用した人材がどれほど早く業務に慣れ、
組織に貢献できるかが
ROIを測る指標となります。


◆成功する採用戦略のための3つのポイント

費用対効果を考えた採用戦略を実現するためには、
次の3つのポイントが重要です。


①人材要件を明確化する

採用活動を行う前に、
自社にとって必要な人材とは
どのような人物かを明確にしましょう。

これは、単にスキルや経験だけでなく、
企業文化へのフィット感や
将来的なキャリアビジョンも含めた
「採用基準」を定義することです。

採用基準が曖昧だと、
選考過程が長引いたり、
入社後に「思っていた人材と違う」と
感じるリスクが高まります。

結果として早期退職や戦力化の遅れを招き、
ROIが悪化する原因となります。


②採用プロセスを最適化する

採用活動におけるプロセスを見直し、
必要以上の工数や手間がかかっていないかを
チェックしましょう。

応募者のスクリーニングから
面接、最終選考まで、
無駄なステップがあれば省き、
必要な項目に絞ることで
採用コストを削減できます。

また、候補者の入社意欲を高めるために、
選考プロセス中のコミュニケーションや
フィードバックを意識的に行うことも重要です。


③採用後のフォローアップを重視する

費用対効果を最大化するためには、
採用後のフォローアップをしっかりと行い、
人材が早期に戦力化することを
支援する体制を整えることが欠かせません。

具体的には、
OJT(On-the-Job Training)やメンター制度を活用し、
新入社員が業務に早く適応できるよう
サポートすることです。

また、定期的なフィードバックを通じて
モチベーションを維持し、
離職リスクを低減することも大切です。


◆採用活動を「コスト」ではなく「投資」と捉える

多くの企業では、
採用活動を「必要なコスト」と捉えがちですが、
本来は「企業成長のための投資」であるべきです。

採用活動のROIを意識することは、
単にコストを削減することではなく、
いかにして効率よく
「自社にマッチした優秀な人材」を採用し、
育成していくかを考えることです。


そのためには、採用にかかるコストを把握し、
それに見合った人材を得られているかを
定期的に評価することが必要です。


採用活動における投資対効果を見直し、
改善していくことで、
企業の成長をさらに加速させることができるでしょう。


◆最後に

人材採用は企業にとって
欠かせない戦略的投資であり、
費用対効果を考えることは
経営の視点でもあります。

人事部長として、
単なるコスト削減ではなく、
いかに価値ある人材を効率的に採用できるかを
見極めることが求められます。

これこそが、
企業の未来を築くための
本質的な採用活動なのです。