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長谷川 満

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第199回 人事部長は人材のプロデューサー

2024/10/02

企業における人事部長という役職は、
単なる人材管理者ではありません。


私はこれまでに
様々な企業で人事業務に携わりながら、
ある重要な視点に気づきました。


それは、「人事部長は組織の人材という映画をプロデュースするプロデューサーである」
ということです。


プロデューサーと聞くと、
まず映画やテレビ番組の世界を
思い浮かべる方も多いかと思います。


彼らは、映画のテーマやシナリオを選定し、
キャスティングや撮影、編集、公開まで、
作品全体を統括する役割を担います。


同じように、人事部長も企業という
「組織の作品」を成功させるために、
人材を企画・育成し、適材適所に配置し、
組織全体をマネジメントしていく
重要な役割を担っています。


1. 人材のポテンシャルを見極め、育成する

プロデューサーが脚本のアイデアを選び、
キャストを決定するように、
人事部長も組織における人材の可能性を見極め、
その成長を支援します。


特に重要なのは、
「その人材が持っているポテンシャルを
最大限に引き出すための場や機会をどう提供するか」です。


優れた人材は多くの場合、
適切な環境や役割を与えられることで、
その力を発揮します。


そのため、人事部長は人材の強みを分析し、
どのように成長させるかを戦略的に考え、
教育プログラムやキャリアパスを設計します。


例えば、ある社員が
コミュニケーション能力に優れている一方で、
マネジメントスキルが不足しているとします。


その場合、人事部長は、
その社員にチームリーダーとしての役割を与え、
リーダーシップ研修やフィードバックを行うことで、
マネジメントスキルを育成することができます。


これはまさに、
プロデューサーが俳優の個性や強みを生かした
役柄を与えることに似ています。


2. 組織という作品を支えるキャスティング

映画や舞台が優れたキャストによって支えられるように、
企業も適材適所の人材配置によって成り立っています。


ここで、人事部長は
「キャスティングディレクター」のような
役割を果たします。


新規採用時においては、
求める人材像に合った候補者を選び、
既存の組織においては、
適切なタイミングで異動や配置転換を行うことで、
組織全体のパフォーマンスを最大化します。


また、組織の成長に伴い、
求められる人材の役割も変わっていきます。


その際に、現在の組織構造や役割分担を見直し、
新しいポジションを設けることも人事部長の仕事です。


新しい役割が加わることで、
社員一人ひとりの強みが組織全体の力に結びつき、
より高いパフォーマンスを発揮できるようになります。


3. 成果を見据えたエンゲージメントの創出

プロデューサーが
映画の興行収入や批評を意識しながら
プロジェクトを推進するように、

人事部長も
組織の成果を見据えながら
社員とのエンゲージメントを高める必要があります。


社員のモチベーションを維持し、
組織目標に向けて一体感を醸成することは、
企業全体の成功に直結します。


そのため、コミュニケーションの
促進や働きやすい環境づくり、
さらには報酬制度の見直しなども
人事部長の役割の一部です。


人事部長が
組織の「プロデューサー」としての役割を担うことで、
個々の人材が持つ力が組織全体の力へと繋がり、
組織の目標達成とともに
社員一人ひとりの成長をも促進できます。


これからも私は、
組織と社員双方が持続的に成長していけるよう、
人材プロデューサーとしての役割を
全うしていきたいと考えています。


あなたも、
人材のプロデューサーとしての視点を
取り入れてみませんか?