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益田 和久

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第172回 動画作成②

2024/06/20

先週の「動画作成」の続きです。YouTubeが出現して以来「動画作成」はすごく身近なものになったような気がします。
動画作成のソフトもアプリも多数リリースされており、テンプレートやAI編集の機能が備わっています。
ちょっと前までは、動画編集は一定以上のスキルや道具がないとできないというイメージがありましたが、今やスマホさえあれば誰でも動画の撮影・編集ができる時代です。
作成する人口が増えたことは、あらゆる場面において動画というデジタルツールの活用範囲が広がったことになります。
弊社の社員教育研修業界でも、コロナ禍による“非接触環境”の確保や研修時間の短縮推進もあり、動画コンテンツの提供が増えてきた背景があります。

弊社の場合は、動画作成に詳しいパートナーが身近にいたこともあり、動画作成はスムーズにとりかかることができました。
とはいえ、動画には一定のコスト(経費や時間)もかかります。
お客さまの予算や納期の制約条件がある以上、作成には工夫が必要です。

ビジネス用の動画作成にはいくつかの方法があります。
一番理想的なのはいわゆる専門業者さんに外注するパターンです。
専門業者さんは画像や音質のクオリティの品質も高く、経験や知見から状況に応じて「ベストな撮れ高」になるための提案をしてくれます。
費用もかかりますが、ある意味間違いないです。
一点懸案事項としては、社員教育動画作成の経験や知見がどれだけあるかということでしょうか。
どれだけ映像や音質がよかったとしても、訴求力のないコンテンツでは意味がありません。

そういう点からすると、弊社で映像作成編集ができるメンバーは、普段は講師業もやっているので視点が少し違うのです。
教育動画の撮影をしていると「この表現はピンときません」「講義ポイントとスライドイメージが合っていません」という提案をします。
勿論外部業者さんもしてくださいますが、そこは「餅は餅屋」だけあって、教育研修の専門家という点から的確な提案(指摘)なのです。
撮影現場でトークやスライドを修正することも多く手間はかかりますが、内容のクオリティは確実にあがります。

一方で、専門家の視点が強くなりすぎると、気づきにくい部分もあります。
先週の投稿で、“視聴者目線での映像作成”の重要性に言及しましたが、専門家視点が強すぎると視聴者目線を見失うことがあります。
今の視聴者は動画を見慣れており、視聴者目線のレベルは確実に上がっています。
セブンイレブンの鈴木敏文さんが「商品を買っていただくお客様はみんな素人です。 だから売り手も素人の感覚を忘れてはならない。」と言われていましたが、常に現在進行形の”素人感覚”を把握することは必要なのかもしれません。

だからこそ、いろんな人の意見や見方を交えながら、作品を創り上げることが大事だと思います。
それぞれ得意分野がある人が集まり、お互いの知見や経験に伴うスキルや考えを尊重しながら、役割以外のことでも気づいたことは提言していく。
提言されたほうも、自分にはない視点を素直に受け入れる。
そんなやりとりが自然とできるようになると、いい作品ができてくる。
これは映像だけに限らず、組織づくりも同じようなことがいえるのではないでしょうか。
自分の役割責任を全うしながらも、役割を超えたアシストを積極的に行う。
作品づくりは組織づくりの一環であることを改めて感じた今日この頃です。