HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

星 寿美

ホーム > 星 寿美 > 記事一覧 > 第150回 『何度言ってもやらない相手』に問題はない!

第150回 『何度言ってもやらない相手』に問題はない!

2024/03/18

リーダーたちの相談に乗っていると
『何度言っても同じミスをする!』
『何度言ってもやらない!』
『やる気がない』
という部下への愚痴をよく聞きます。

気持ちは痛いほど、分かります。
注意するのも大変です。
誰もがいい人でいる方が楽だから、嫌なことを何度も言うのも大変なんですよね。

ただ・・・この『何度も』と言う部分に着目です!

『何度も』言って望む結果が得られなければ『方法』を変える必要があります。
その言い方では『伝わっていない』可能性があるのです。

つい最近も、あるリーダーから
「A君に、もし仕事が早く終わったら、次の人がやりやすいように、この段取りしておいてね、と何度指示しても、やらない。しかも、早く終わるとおしゃべりしている。サボってばかりいる〜!」
と相談がありました。

A君は、真面目でやる気もあり、どう考えても、あからさまにサボるような社員ではありません。
そこで、A君の話を個別に聞いてみました。すると・・・

「同僚との雑談は、コミュニケーションの一環でとても大切なものだと思っている。仕事中は話せないので、早く仕事が終わった時や時間がある時に率先して話しかけるようにしています!」

と言う意識で、心からそう思っているようでした。
リーダーからの指示を伝えて、その段取りについてどうか?聞いてみると。

他部署や同僚とコミュニケーションを密にしているので、次の人が『それはやるから大丈夫』と伝えてくれればお任せしたり、逆も然りです。
仕事はチームワークや流れが重要なので、担当以外の仕事は、その時々で臨機応変に対応しています。
とのこと。

リーダーもA君も、どちらも全く嘘は言っていません。
なぜ、このようなすれ違いが起こるのでしょうか?

===
まず、リーダーがA君に対して『自分が思った通りに動かしたい』と言う気持ちがあった。
もちろん教育しないといけないという責任感から。

しかし、自分が思った通りに動かないのでストレスが重なっていった。
その過程で『何度言っても言うこと聞かない』『やる気がない』と言うレッテルがリーダーの中で貼られていき、そのレッテルを正当化する場面が目に入り認知を強化していった。
===

簡単に言うと、態度や言葉という表層の部分を見て「言うことを聞かない奴だ」「やる気がないやつだ」とレッテルを貼ってしまい、全てをその前提から見つようになってしまったということです。

実は、この後、リーダー・A君・私の3人で対話しました。
お互いに考えていることや価値観など本音を伝え合う中で、相互理解が深まりました。
同じ言葉を違っても違う概念を持っていたり、見え方・捉え方は人ぞれぞれ。
でも『いいサービスをしたい!いい職場にしたい!』という想いで仕事をしている仲間なのだと再確認できたことでスッキリ解決できました。

これは、ほんの一例に過ぎません。
他にもたくさんの事例があります。
日々いろいろなことが現場では起こっています。
どの場合も、ちゃんと対話を深めれば誤解が解けて、相互理解が生まれ解決できるのです。

一番多い例は、今回の事例のように『レッテル』を貼って、そこからコミュニケーションをとっている場合。
このレッテルを外さない限り、根本解決は難しいです。

次に多いのが怒りの感情で伝える場合。
口調は穏やかだったり、ニコニコしていても、怒りの感情はしっかり伝わります。

人間は誰もが超能力者じゃないかと思います。
上部だけ取り繕っても、何かしら感じているから。
だからもし怒りを感じていたら、そのまま「実は今、怒りを感じているんだ。なぜなら・・・」とありのままを伝えるのが一番です。

心に怒りという剣を持っていると、相手の心は盾を出します。
シンプルです。
こちらに剣がある場合は、隠さずに「実は今、怒っているんだ。話を聞いてほしい」と怒っている理由を伝える努力をしたらいんです。

この時に、怒りをそのままぶつけそうになる場合は、怒りの中に入り込んでいるという状態なので、まずは自分が怒っていることをありのまま受け入れます。

「おお!今、相当怒ってるなぁ」とありのまま受け入れることができれば、なぜ怒っているのかを『感情的にならずに』説明することができます。

そして実は、
『レッテルを貼っている』『怒りを抑えようとしている』いずれの場合も、ただ教育の賜物で、変な習慣が身についてしまっているだけ!なのです。

だから、
①私たちは誰もが主観で物事を見ている。
つい自分が見えていることが正しいって思いがちだけれど、主観という強いメガネをかけているんだ!
そのメガネを外せば違う事実や側面が見えるかも!

②こちらに剣があれば相手は盾を出す。
だからまずは、自分の感情を大切にして自分との関係をよくしよう!
怒りを感じたら、それを抑えようとせず、まずは自分の感情を大切にしよう。
これも教育の賜物でついた、ただの習慣!
新しい習慣が身につけば怒りをきっかけにどんどん成長できるかも!

この2つの視点があれば、かなり楽にスムーズに部下育成やチーム内コミュニケーションがはかれます。

同じことを何度言ってもやらない相手は、相手に問題があるのではなく、もちろん自分にあるわけでもなく、ただの『対話不足』です。

対話と言っても、ただ話せばいい、というわけではなく、想いや価値観という内側を言語化して伝え合う対話です。

相手へのコントロールを手放して、ありのままを受容し合える対話ができれば、多くのことが根本解決できます。
この対話について、私は『感情対話』と名づけました。

私たちは、今まで家庭でも学校でも社会でも、それをしてきていない。
だからやり方を知らないんですね。
でも、この感情対話が、実は一番シンプルなのです。
私は日々、現場で『感情対話』によって、さまざまな対立やリーダーの部下への悩みを根本解決しています。
誰もが『感情対話』が日常できる社会になればいいなぁと心から思います。

※無料相談実施中!
自走組織育成実績60社。
後追い営業など一切なし!
困った社員・対立・組織運営などに課題を感じている方はぜひ1on1しましょう!