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金山 正明

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第141回 この人に聞く!~人・組織が羽ばたく時~

2023/10/15

喜連 航平 様(其の1)

今回の対談は、キヤノンイーグルスでプロラグビー選手として活躍されている喜連航平様にご協力頂きました。
喜連様は、プロラグビー選手として国内最高峰リーグワンでプレーされる傍ら、一般社団法人Joyntの代表理事として、おとなラグビーコミュニティー「おとラグ」の運営やスポーツを通じた社会貢献活動など、幅広く活動されております。

今回は喜連航平様の主な活動と創業ストーリーについてお届けします。
金山:プロのアスリートと対談させて頂くことが初めてになりますが、最初に喜連さんがどんな活動をされているのか教えて頂けますでしょうか。

自信を高める“きっかけ”を量産する

そうですね。
ラグビー界の中では6年目になりますが、ラグビーのプロ選手として活動しているのがメインになります。
ただ、ダブルワークと言いますが、自分で起業して事業活動も行っています。

自分自身が現役ラグビー選手としてプレーしていますので、ラグビーの魅力を一人でも多くの人に体感してもらって、それぞれが交流をする場というのを提供しています。
目的は、ラグビーの魅力を体感してもらうことだけじゃなくて、「自信を高める“きっかけ”を量産する」と言うのを掲げて取り組んでいます。
自分自身もそうでしたけど、人ってそれぞれ抱えている問題とか課題とか目を背けていることとか、そういったことに対してきっかけが必要なんだと思うんです。
自分の力だけじゃなくて、他人にきっかけを与えて頂いて何かに出会ったこともあるでしょうし、きっかけを掴みに行く場があった人もいると思います。
人それぞれ色んなきっかけの作り方があると思うんですけど、私はラグビーというツールを使って子供から大人まで、何かのきっかけになるような場を量産していきたいという想いで取り組んでいます。
具体的には、おとなラグビーコミュニティー、通称「おとラグ」という活動や家族でラグビーを楽しめるファミリーラグビープレイス、通称「ふぁみラグ」という活動をしています。
また、選手のセルフマネジメントなどを題材に、研修やコーチングも実施していますし、スポーツを通じた社会貢献活動にも取り組んでいます。

金山:なるほど。
プロとしてラグビーをしながら起業して事業を始められるというのは珍しいことだと思うのですが、創業のきっかけとか想いとか聞かせて頂けますでしょうか。

母に会いに行くことで得た“きっかけ”

創業のきっかけはラグビーとは全く関係ないんですけど、私が幼い頃祖母がアルツハイマーの病気でなくなったんです。
それが遺伝性ということもあり、母親も若くして中学生の頃に発症しましてしまったんです。
まだ39歳でした。
私は長男なのですが、父親はラグビーにスパルタな人で、母親が唯一甘えさせてくれる存在だったんです。
ただそんな母が病に怖がっている姿、現実を受け止められないでいる姿を見て、思春期の自分は母を守りたいという気持ちが強くありましたし、家族が病院へ連れて行くということに対して反抗した時期もありました。

そんな中でも自分の支えがからやっていたラグビーだったんです。
ラグビーでつながっているみんながとの時間が救いになり、何とか辞めずに続けられました。
心真っ直ぐ生きてきたかと言われると、学校に行きたくないとか道をそれたような時期もありました。
ただ、ラグビーはすごく好きで、ありのままの自分でいられて、色んな人と出会えて仲良くなれて承認してくれる。
自分にとってすごく居心地が良い場所になってしまってましたね。
当時は現実を見るのが嫌っていうのがあって、母親に会いに行くことはありませんでした。
やっぱり自分自身きっかけをすごい求めていたんだと思います。
自分が変わりたいんですけど、誰にも言えず向き合う自信もなくて。
ただ大学は母親のことがあったので、東京にはいかず関西に残りました。

大学を卒業してNTTにラグビーで入社することが決まってたんですけど、東京だったんで行く前に母親に会わないともう会えないような気がして会いに行ったんです。
おばあちゃんのこともフラッシュバックしましたし、色々な想いがありましたけど、一歩踏み出して会いに行ったときに、人生で初めての感覚というか気持ちが湧いてきたんです。
母親は寝たきりなんですけど、笑っていまして、やっぱり覚えてくれているんだという嬉しい気持ちと後悔が入り混じった感情ですかね。
今でもなんて表現したらよいか分からないんですが、人のためにできることって沢山あるなって。
私の場合母に会いに行くということで得た“きっかけ”でしたけど、自分自身が変わるきっかけを見つけたんです。

社会人になってからは、社内の仕事、ラグビーチームでの活動、選手会長としての活動など、事業を始める余裕はありませんでしたが、色々と経験を積ませてもらってプロとして移籍をしましたので、そのタイミングで人と人がつながって何かきっかけをつくれるようなことをやろうと思い「おとラグ」をはじめとした事業をスタートさせたんです。

金山:なるほど。
そういった背景があったんですね。
色々とお話し頂きありがとうございます。
次週は喜連さんの現在までの歩みについてお話しをお伺いできればと思います。

今週はプロラグビー選手、喜連航平様の主な活動をお届けしました。。
次週もお楽しみください。

プロフィール

喜連 航平(きれ こうへい) / Kohei Kire 
生年月日:1995年6月25日
ポジション:スタンドオフ(SO)
出身地:兵庫県伊丹市出身
身長・体重: 175cm・85kg
所属:横浜キヤノンイーグルス(2022年〜)
愛称 : きーる
趣味 : キャンプ、サウナ

大学卒業後、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスへ入団。更なる成長と出場機会を求めて横浜キヤノンイーグルスへ移籍。一般社団法人Joyntを設立、代表理事に就任。

※HPから抜粋:https://www.kirekohei.com/