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深山 敏郎

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第109回 困ったときの老荘だのみ エピソード⑨「鋭利な刃物は折れやすい」

2023/07/18

前回このコラムの108回目では、老子の言葉「水にまなべ」を取り上げました。
水はどのような器にもぴったりとおさまります。
そうした柔軟性や、自己主張をしないことの大切さを学ぶことができる言葉でした。

今回は「鋭利な刃物は折れやすい」をご紹介します。

「鋭利な刃物は折れやすい」

老子は言います。
「酒で満たされた杯は、手に取るとこぼれます。そのように鋭利な刃物は折れやすく、また、財宝を蓄えれば、必ず狙われる。金持ちになって慢心するのは、災厄を招くものだ。成功したならば道を退くのが、天の道である」
と。

人は成功した時には慢心しがちです。
そうしたことへの戒めとして、「鋭利な刃物は折れやすい」ということを老子は教えてくれています。
逆を言えば、逆境の時にこそ快活に未来を夢見て励めということなのでしょう。

人は困ったときにその価値がわかる

私たちは順調な時には人間関係もまずます平穏無事であり、憂いも少ないことでしょう。
しかし私たちはビジネスでもプライベートでも日々順調とは限りません。
人生には逆境も必ずあるものです。

そうした逆境の時にこそ、その人の真の価値が分かるのです。
その本質がわかります。
会社経営も同じです。
順風満帆の時には人も寄ってきますし、お金も集まります。
しかし困難な状況に陥った時には、人もお金も去っていくのが普通です。
そうした境遇の時にこそ、その人の本質があらわれます。
そうしたことを忘れずに、日々精進をしていきたいものですね。

「老子」に関しては、徳間書店「中国の思想」第6巻 「老子・列子」を参考にさせていただきました。

レジリエンスの高い人の特徴を詳しく知りたい方は、拙著:「レジリエンス(折れない心)の具体的な高め方 個人・チーム・組織」(セルバ出版)などをご覧いただければ幸いです。

 (筆者:深山 敏郎)
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