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岩田 徹

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第100回 達成感

2022/11/11

10月30日に開催された横浜マラソンに参加してきました。
3年ぶりとなるフルマラソン。
申し込み時は横浜の街や高速道路を走れることに魅力を感じていました。

ですが、大会直前になってもモチベーションが高めることができず、
週末の練習も長くても10キロ。
せいぜい5キロ程度しか走っておりませんでした。
参加前日も走りきる自信もなく、参加をやめようかとも思いましたが、
2万円という参加費を払い込んでいたことから参加を決意しました。

私自身、9回目となるフルマラソンでしたが、
これまでの大会全て35キロ以降で両足を攣り、地獄のような痛みの中、
何とかゴールするという形でした。
練習をしっかり積んでいた大会でさえその状態でしたので、
今回は無理をせず完走もしくは完歩を目指しました。

迎えた当日、快晴で少し暑いくらいの気候の中、
23,000人ものランナーが横浜の街に集まりました。
他人との戦いではなく、自分が定めた目標との戦いですので、
誰に抜かされようが全く関係なく、着実にゴール目指して歩を進めました。

設定タイムを遅くして無理をせずゆっくりスタートしたので、
練習での最長距離10キロを超えてもまだ余裕はありました。
ですが、15キロ近くになると疲労が溜まってきました。
しんどいな、歩こうかな、とも思ったその時、沿道に知り合いの姿を見つけました。
お互いに目が合い、「がんばって!楽しんで!」と声をかけていただきました。
私は笑顔になり手を振って「がんばります!」と返しました。
そのタイミングで不思議なことに、それまで感じていた疲労がなくなり、
またいいペースで走り出すことができました。

さすがにハーフを過ぎたあたりからペースが落ち、
25キロ地点では歩き出し、
両足の痙攣が起きないようにゆっくり動くのが精一杯の状況になりました。
楽しみにしていた高速道路上だったのですが、
延々と続く人並み、遠くまで見える高速道路に心が折られました。
30キロを過ぎると高速道路上には痙攣を起こしたランナーがあちこちで倒れていて、
いつ何時自分に襲いかかるかもしれない恐怖を感じながらゴールに向かいました。

高速道路を降りると残り10キロ弱。
沿道に少しずつ人が増えてきて、最後の5キロは横浜の市街地。
ここでは両側の沿道に多くの人がいて、歓声も一際大きくなっていました。
見ず知らずの方に応援してもらい、何とかゴールまでたどり着くことができました。

フルマラソンは自分の中での葛藤の連続です。
完走したい、辞めたい、止まりたい、歩きたい、でもタイムも縮めたい。
なぜこんな苦しい思いをしているのかと後悔する瞬間もあるのですが、
走りきった後の達成感はたまらないものがあります。

簡単ではない目標をクリアすること。
定めた目標に向けて自分なりに努力すること。
やる、やらないの選択肢を常に持ち続けること。
今回のマラソンを通じて、改めて自分を追い込む目標を再設定しようと決意したのでした。