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深山 敏郎

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第59回 経営者のレジリエンス(9)経営者の思考法③「問題解決をする」

2022/08/02

前回は、経営者のレジリエンス(8)経営者の思考法②「適切な判断をする」でした。

今回は、「経営者の思考法③問題解決」というテーマです。
経営者とはここでは起業家、事業承継者、雇われて経営を任されている人のすべてを含みます。

経営者がどのような視点でものごとを観て、判断し、問題を解決に導くのかということは、経営者のレジリエンスそのものと言ってよいでしょう。

このコラムでは経営者の思考法を、便宜的に以下の3種類に分けて考えています。

1.客観的に把握する「客観思考」
2.適切な判断をする
3.問題解決をする 

前回はこの3種類の内、2.適切な判断をするということについて書いてきました。
今回は、3.問題解決をするというテーマを展開していきます。

経営者の仕事は問題解決の連続

今回は「問題解決をする」ことが、経営者の日々の仕事であるということの理解から始めましょう。
経営者はビジョンを構築し、理想とする会社を作っていこうとします。
わくわくするようなビジョンが出来たとき、それを年次計画や月次計画に落とし込んでいきます。
もちろん、経営者が一人でこうした作業をするわけではなく、部下とともに落とし込んでいくわけです。

しかし、現実にはこうしたビジョンや計画とはかけ離れたことがいつも起こります。
例えば粗利益率を向上しようとして努力をしていても、現在の環境のように世界的な原材料高のあおりをうけて、粗利益率が減少するといったことが起こるわけです。

また、あてにしていた社員が退職してしまったり、取引先から突然、契約中止を言い渡されることもあります。

こうした諸事情に振り回されそうになることが多いのではないでしょうか。

それでも会社は事業を継続していかなければなりません。
そこで問題解決の登場です。

逆境に出会った時にこそ、問題解決的な思考をする

逆境に出会った時には、わたしたちは弱気になって行動も消極的になりがちです。
これまで順調にいっていたことが、いきなりストップしてしまう。
こうしたことを経験して、経営者自身や部下である社員のモチベーションが下がるなどということが起こるのです。

こうした時には、是非、次のステップで問題解決的な思考をしてみましょう。

1.その問題が自社にとって本当に重要かどうかを検討する
2.重要であれば、その問題の構造を分析する
3.どうすれば解決できるかに集中する

こうしたシンプルなことを実行し続けることによって、きっと多くの問題が解決できることでしょう。

次回のテーマである「経営者の陥りやすい錯覚と、その対処法①」を考えてみます。
レジリエンスの高い経営者とそうでない経営者の差は、こうした問題解決の思考方法にも表れます。

レジリエンスの高い人の特徴を詳しく知りたい方は、拙著:「レジリエンス(折れない心)の具体的な高め方 個人・チーム・組織」(セルバ出版)などをご覧いただければ幸いです。

toshiro@miyamacg.com (筆者:深山 敏郎)
株式会社ミヤマコンサルティンググループ
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