HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

鴨川 光

ホーム > 鴨川 光 > 記事一覧 > 第8回 体験から学ぶということ

第8回 体験から学ぶということ

2021/02/04

伝わりやすさと、残りやすさ。

昨年は新型コロナの影響で大変な一年でしたね。

研修や教育では体験的な学びの機会が減り、オンライン化が進みました。
今回はオンラインと対面(直接体験)の学びの違いを書いてみます。

情報の伝わりやすさという点で、オンライン学習は対面よりも優れています。
対面でプレゼンを聞いている場面を想像してみてください。

説明されている内容だけに集中したくても、人間はプレゼンターの動きや表情といった視覚情報、周りの人の匂いや咳払いなどの嗅覚、聴覚情報を無意識のうちにキャッチしてしまうので、脳の処理容量がそちらに割かれてしまいます。

パソコンで言うなら、バックグラウンドでいろいろなシステムが動いていてメインの動作が遅くなっているような状態です。

オンラインではそういった余分なものが入りにくいので、聞いている人に話の内容が伝わりやすくなります。一方で、オンラインの方が情報そのものは伝わりやすいのですが、対面の方が心に残りやすいという声もよく聞きます。

これはコンサートをイメージしてもらうとわかりやすいですが、YouTubeでコンサートの動画を観るのと、実際に会場で聞くのは大違いですよね。

対面の時に感じられる周りの雰囲気、声の響きといった、情報を伝えるには邪魔だったものが、感情を動かすためには重要になるのです。

体験からのオンライン

直接体験し、感情が動いたことは記憶に残りやすくなります。

教科書で学んだことは忘れているのに、部活でやっていたことは強烈に覚えていたりしますよね。
逆に、見ているだけ聞いているだけになりがちなオンライン学習は、一時的に分かった気になっても定着しにくくなります。

そこで僕は、オンラインで研修を行う際は、家でもできるアクティビティ(体験)を先にやり、それを比喩として使いながら本論に繋げていくようにしています。そうすることで、情報が伝わりやすいというオンラインの強みを活かしつつ、伝えた内容が定着しやすくなります。

対面とオンラインのどちらが良いかではなく、それぞれの強みを活かせるタイミングで使用するのがおすすめです。