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金山 正明

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第54回 この人に聞く!~人・組織が羽ばたく時~

2021/12/26

株式会社グランドアール 株式会社ブルーコーナー 嶋田 亮 社長(其の2)

今回の対談は、株式会社グランドアール、株式会社ブルーコーナーの2社を経営される嶋田 亮様にご協力頂きました。
株式会社グランドアールでは、船橋市を中心に不動産事業と障害福祉事業を展開されております。
また、株式会社ブルーコーナーでは、研修事業を展開されております。
今回は創業から現在にいたるまでのストーリーとターニングポイントをお届けいたします。

金山:先週は創業までのストーリーを聞かせて頂きました。
2005年の創業から長年不動産業を営んでらっしゃいますが、2019年には別会社で研修事業もスタートされてるんですよね。
今週は創業から現在にいたるまでとターニングポイントについてお話を聞いていきたいです。

2005年に会社を起こして、宅地造成をやり始めたんですけど、父親と二人でやっていたので固定費もほとんどありませんでしたし、当初はやれば儲かるという状況が続いていました。
そんなに阿漕な仕事はしていなかったのですが、みんなが喜ぶものだと思って仕事をしていました。

2億円の負債が残る計算

ただ、2012年に転機が訪れたんです。
当時3億8千万円で千葉の土地を買ったんです。
他の方々があまり手を出さなかった土地だったんですが、一日中その土地をじっと見ていて、やっぱり住みたいよなと思うようになったんです。
南側に山林があったので、皆さん日当たりが悪いと言っていたんですが、埋めちゃえば問題ないだろうと思って買ったんです。
みんなが喜ぶだろうと思って宅地造成をスタートさせたのですが、近隣に挨拶にいったところその思いは覆されました。

「嶋田さんが宅地造成やるのは反対じゃないんだけど、うちの壁に土をつけないでくれ」と言われまして。
そんな工法がまずないので、3億8千万円が売り物にならなくなっちゃったんです。
もしそれを売り物にするには、2億円分くらいしか売れなくて、工事費用もかさむようになる見込みだったんです。
そうすると、2億円くらいの負債が残る計算だったんですが、うちのような小さな会社でそれほどの負債を抱えたらもう無理だと思いました。

ハンドルをきって楽になりたい

3日くらい寝れない食べれない日が続きました。

なんとか現場へ向かわないとと思い高速を走らせるのですが、ハンドルをきってしまいたくなるんですよ。
今のもやもやから逃げたいという思いがわいてきて、おそらく自律神経がおかしくなっていたんでしょうね。
そんな時っていろんな考えが巡るんです。
保険金でどうにかなるかなとか、離婚もしなきゃいけないし、子供とも離れなきゃいけないしなんて考えたりするんです。
そんな時カバンの中にある妻が作ってくれたおにぎりを口にして「生きなきゃ!」となんとか気を取り戻していました。

みんなが笑顔に

何とかしなきゃと思っていても独立した社長をやっていると泣き言が言えませんでしたね。
ただ救われたのが、2005年から青年会議所、JCと呼ばれる組織に入っていたんですね。
ある日元気がない僕の姿を見た先輩が声をかけてくれたんです。
嶋田が元気ない時は熱があるか腹が減っているときだって言って。
その先輩にはじめて今回の話を話したんです。
そうしたらですね、「お前は青年会議所をやっていながら何を学んできたんだ」と叱られましたね。
近隣の人にメリットとデメリットも両方洗いざらい話をして、何とかやらせて欲しいという想いをちゃんと伝えてるのかって言われたんです。

その前の年に私が青少年委員会の委員長をやっておりまして、この時に富士登山に子供たちを連れていくというかなり大きなプロジェクトを立ち上げていたんです。
その時のような想いでその仕事やってるのかって言われてハッとしたんです。
正直やってないなと。
それで、稟議書のような形でメリット、デメリット、そして今回の工事に携わる人たちの顔写真も貼って近隣の人のところへ通うようになったんです。

2カ月ちょっと通いましたね。
現金も持っていきました。
お金はいらないと受け取ってもらえませんでした。
ただただ隣の人との関係をくっつけたくないんだって言われました。
ただ、2カ月ちょっと通ったときに、その方から「嶋田さんのこと信じるよ」って言ってもらえたんです。
その時にその方の玄関で自然と泣いていたんです。「信用してもらえた~!」って。
この時僕は思ったんです。
仕事ってみんなが笑顔じゃなきゃいけないんだって。
それからうちの会社の経営理念を、「みんなが笑顔に」というものに設定したんです。

金山:自然と涙が溢れるような仕事って素晴らしいですね。
「みんなが笑顔に」という理念は、そういった体験から掲げたものだったんですね。

そうですね。
実はその後2016年に青年会議所の理事長をやることになったんです。
そこで同じような思いを後輩たちにしてもらいたくなかったので、その時の体験を踏まえて会議所のメンバーに発信をしていったんです。
2018年には全国の青年会議所を回って年間108回講演をして回りました。
北海道から沖縄まで呼ばれれば必ず行きました。
もちろんすべて無料でやりました。
そんな時にSDGsに出会ったんです。
SDGsってみんなが笑顔で暮らせる社会を実現できる一つの合言葉だなと思って、SDGsを軸に研修事業をはじめたのが、2019年に立ち上げた株式会社ブルーコーナーになります。
今では全国呼ばれるようになったのですが、これも一人で100歩歩くより、100人で一歩ずつ動いた方が大きな影響がでるので、サスティナブルアカデミーという場で同じ志を持った仲間との繋がり活動を続けています。

金山:研修事業をスタートされたのは、あの時の体験がきっかけになってたんですね。
今取り組まれている事業が、嶋田さんの人生そのもののように感じます。
次週は、今後のビジョンについてお話を聞かせてください。

今週は創業から現在にいたるまでのストーリーとターニングポイントをお届けしました。
来週もお楽しみください。

会社情報

会社名:株式会社グランドアール
本社:千葉県船橋市金杉7丁目25番16号
HP:https://www.grandr.jp/
事業内容:・不動産事業
     ・障害福祉事業

会社名:株式会社ブルーコーナー
本社:千葉県船橋市三咲4丁目14番43号
サスティナブルアカデミー:https://susaca.com/
事業内容:・研修事業
     ・サスティナブルアカデミーの運営