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岩田 徹

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第52回 運拾い

2021/12/10

野球の本場アメリカ大リーグで投打二刀流の見事な活躍を見せた大谷翔平選手。
投げてよし、打ってよし、走ってよし。
文句のつけようのない活躍でM V Pを獲得。
大谷選手に大きな注目が集まった2021年のシーズンでした。
どのような状況におかれても平常心を保ち、笑顔を絶やさない大谷選手。
少しイラッとしそうなインタビューにも真摯に受け答えし、
映像を通してその人間性の高さが感じられる選手です。

この原点にあるもの。
それは大谷選手が花巻東高校時代に記載したマンダラチャートを見ると一目瞭然です。
縦9マス、横9マスの枠を正方形9つに分解。
まず真ん中に大目標を記載します。
大谷選手は「ドラフト1位、8球団」と記載しました。
その目標を達成するための具体的行動を周囲の8マスに記載。
さらにその8マスを中心に据え、具体的行動をそれぞれ8個記載し、
全体の81マスに目標達成までの具体的行動が示されることになります。
大谷選手は大目標を達成するための8個のうち、5個を野球のスキル、
残り3個に「メンタル」「人間性」「運」と記載をしています。

スキルの向上だけでは一流選手とは言わず、
周囲から愛され、信頼され、応援される選手になる必要性を記載。
運を味方につけることも重要と考えた大谷選手は、
日々、ゴミ拾いを実践しています。
試合中でも出塁時にゴミを拾ったり、ベンチでゴミを拾うシーンが
映し出されていましたので、ご存知の方も多いでしょう。

大谷選手曰く、「誰かが落とした運を拾わせてもらっている。」のだそうです。
またベンチでゴミを拾ったことを取材された時は、
「他の選手がゴミで滑って怪我でもしたら問題だから。」
と、当たり前のように語っていました。
圧倒的なスキルを持つ選手が素晴らしい考え方を持ち行動する。
注目度の高いプロスポーツ選手自らが模範となる行動を示すことで、
多くの人に好影響を与えていると思います。

〜中小企業の採用・育成のヒント〜

仕事ができる人材を増やすために、多くの会社で研修やO J Tを実践しています。
ですが、生活面や精神面での指導が疎かになっている会社も散見されます。
仕事のスキルは高いけれど、人間として疑問符がつく人材が、
果たして本当の意味での仕事ができる人材と言えるのでしょうか。

気持ちの良い挨拶をする、ゴミを拾う、整理整頓をする。
当たり前のことを当たり前にできる組織は不思議と業績もいいように感じます。
スキル面での育成と心の育成。
心の育成には経営トップや上層部の考え方、行動が色濃く反映されると思います。
大谷選手のように自らが模範となる行動を示していくことが、
経営者や役職者に求められているように感じます。