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金山 正明

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第38回 この人に聞く!~人・組織が羽ばたく時~

2021/09/05

なかむら産業医療コンサルティング事務所 代表産業医 中村有吾様(其の2)

先週に引き続き、なかむら産業医療コンサルティング事務所 代表産業医 中村有吾様にご協力頂きました。
中村様は、産業医として現在まで企業数20社以上、従業員数延べ2500人の健康を管理してきた実績を生かし、個々の従業員の健康と生産性を高めるサポートをされています。
今回は産業医として開業に至るきっかけとなったストーリー、そして今後のビジョンについてお話しを伺います。

金山:先週は、産業医としてのお仕事についてお話しお伺いしましたが、もともと産業医を志して医学の道を進まれたのでしょうか。産業医を目指したきっかけなどありましたら教えてください。

最初は臨床初期研修で全部の課をまわった後に、骨折とか筋肉とか関節の病気を診る整形外科医になりました。
もともと予防系が好きだったんで、スポーツドクターとしてスポーツ選手が良いコンディションを保つためのアドバイスをしたいなと思っていました。

ただ、専門として何をやろうかと考えた時に、整形外科医になって、病気の診断と、治療をやろうと大学病院に勤めました。当たり前のことですが、病院では病気になった人としか会えないので、予防への取り組みよりも治療をメインに行っていました。

そんな中、重症になってから来られるケースも多く、治療を頑張るのですが、完ぺきに元通りにならなかったり、その病気のせいで今までの仕事ができなくなったりする事例を沢山目のあたりにしてきました。
これはもっと手前で誰かが教えてあげたり、サポートして上げられたらここまでは悪くならなかったんじゃないかなと思うようになりました。

そういった背景から予防医学をもっと専門にしていきたいなという想いがわいてきました。

過労から体調を崩すことに

もう一つは、自分が体調を崩したんですね。
大学病院ってご存じかもしれませんが、とても忙しいんですね。
寝ないで仕事をすることもあって、過労で倒れてしまったんですが、結果うつ病になってしまいました。

それからは十分に働けない期間が続きまして、それがとても衝撃と言うか自分自身ショックを受けました。
まさか自分がそうなるとは思ってもいませんでしたし、家で動けない、働けないという状態になったときに、健康ってやっぱり大事だなと当然思いましたし、自分で管理することって難しいなと思いました。

誰かがサポートしてくれたらこういう風にならなかったかもしれないと思いました。
であれば、健康的に働き続けることをサポートする側に医師としてまわることもできるのではと思ったんです。
先ほどの予防をやりたいということと、働く人の健康をサポートしたいというのが重なって産業医にたどり着いたんです。

金山:そうだったんですね。
体調を崩されてからはどれくらいの期間で復帰されたんでしょうか。

半年くらいは満足には働けませんでした。
出勤したり休ましてもらったりしていました。
最初の2か月はほとんど家から出ることもできませんでしたし、これが鬱かと思いました。

当然医師なのでどういう状態かは知っているつもりでしたし、対処法とかもわかってはいるんですけど、何もできないという現実にぶち当たって、この時メンタルで病んでしまう人の気持ちがわかりました。
今でも覚えていますが、「もう医師として働けないのかな」と不安になることもありましたし、「社会人としてもやっていけなくなっちゃったのかな」と焦りもありました。

今となってはこの時の経験が人生の道を変更するきっかけになって良かったと思えますが、ある意味それで人生変わることもありますし、同じ思いをする人を一人でも減らしたいなと思いました。

金山:大変な思いをされたんですね。
それでもその時の経験があったからこその今ですし、中村様のお仕事によって救われる方々が大勢いらっしゃるのではと思います。
最後に、中村様の今後のビジョンについてお話しを聞かせて頂けますでしょうか。

予防医療普及にために健康な方々に向けての取り組みも

そうですね。
もっともっと予防は世の中に根付いてほしいと思っていますので、いろんな企業様で、特に中小企業なんかですと一人かけた時の重みが大きいと思いますので、欠けさせないような産業医としてのサポートをもっともっとやっていきたいと思っています。

具体的には、既存の産業医の業務って体調不良者だけにフォーカスされているんですけど、せっかく顧問料を払うのであれば、体調不良じゃない方々に向けた取り組みに使っていただきたいと思っています。
これから健康な方々向けのサービスとして、研修やコーチングもそうなんですけど、オンラインフィットネスや管理栄養士の方と組んで食事のサポートをするようなサービス展開も考えていますので、顧問先の社員さんが元気になったよと言ってもらえるような産業医事務所にしたいなと思います。

金山:ありがとうございます。
だまだお話しを伺いたいのですが、次週は企業や働く方々が産業医を活用するポイントについてお話を聞かせてください。

会社情報

会社名:なかむら産業医療コンサルティング事務所
本社:東京都新宿区西新宿7-4-7
コーポレートサイト:https://www.nakamura-sangyoui.com/ 
事業内容:・産業医業務受託
・企業の労働衛生体制構築の支援およびコンサルティング
(職場巡視、衛生委員会の立ち上げ支援・出席、メンタルヘルス対応、休復職者対応及び休復職制度アドバイス、過重労働対策、ストレスチェック対応、健康講話、社内研修等)