ここ2ヶ月間は新入社員の方に向けて発信しました。
今回はグッと対象年齢を上げて40歳代以上の方向けに書きたいと思います(笑)
私事になりますが、先日母が亡くなりました。
母はデジタルガジェットを使いこなし、LINEやFacebook、Instagramなどを駆使して情報を発信し、込み入った話はLINEのビデオ通話でやり取りをしていました。
そんな母に全てを委ねていた父は、現在は一人暮らし。
耳が遠く、補聴器をしていますが、電話(ビデオ通話含めて)でのやり取りは一苦労です。
そんな父を心配して、母は生前、何度も「LINEを覚えて」と言い聞かせていたことを思い出します。
母が亡くなり、やはり周りとコミュニケーションを取る上で、LINEをやらないと不便だと感じたのでしょう。
父は最近、少しずつですが、LINEでのやり取りを積極的にするようになってきました。
こちらとしても安心できますし、文字コミュニケーションは口頭とは違って確実に伝わり、何度も見返すことができます。
写真や動画も手軽に送信できるのは大きな利点です。
文字を打つのが面倒なら、スタンプだけでも十分に思いを伝えられます。
町内会や老人会でも、LINEなどのツールを活用している方が増えてきました。
高齢者とのコミュニケーションで感じがちな「伝わりにくさ」のストレスは、こうした可視化された情報伝達によって随分と解消されていると思います。
社会全体でも、こうした「可視化のありがたさ」を改めて感じる機会が増えているのではないでしょうか。
例えば、東京都が進める「TOKYOスマホサポーター」などの取り組みは、デジタルデバイド解消の一環として注目されています。
私自身もこの資格を取得し、近所の方へのスマホ活用サポートを始めました。
最初は「難しそう」と敬遠しがちな方も、LINEで家族や友人とやり取りするようになると、その便利さを実感し、「これならもっと使いこなしたい」と前向きになります。
やはり「自分事」にならない限り、人はなかなか動かないものなのだと、改めて実感します。
今後、特に期待しているのは、ビデオ通話中にリアルタイムで会話の内容を字幕表示してくれる仕組みです。
すでに技術的には実現されていますが、まだ一般ユーザーが気軽に使えるサービスとしては十分に普及していません。
もしこれがもっと身近になれば、耳が遠い高齢者とのやり取りがさらにスムーズになり、オンラインの恩恵を一層感じられるようになるでしょう。
改めて思うのは、情報の可視化は単に便利なだけではなく、人と人との距離をぐっと縮め、気持ちをつなぐ力があるということ。
ビジネスシーンでも同様で、口頭説明や抽象的な言葉だけでなく、図表やメモ、チャットの履歴といった「見える化」の工夫が、誤解や行き違いを減らし、スムーズな意思疎通を実現します。
オンラインの技術を「味方」にしていくことが、これからのビジネスパーソンにとってますます重要になるでしょう。
母の残してくれた学びを胸に、私も周りに「見える化」の大切さを伝えていきたいと思います。