先週に引き続き、就職活動におけるAI活用について考えてみたいと思います。 今回は企業の立場からです。
優秀な人材を一人でも多く獲得したいのは、どの企業も同じですね。
初任給の大幅アップや副業OK、フルリモート等、人材確保のためにあらゆる条件を提示し、競争も激しくなっています。
採用担当部門は、多くの応募者とのやり取りや書類選考、面接日程調整など、手間のかかる業務がどんどん増えているという話をよく聞きます。
厳密にいうとコロナ禍前までは、そんな話をよく聞いていました。
コロナ禍で面接がオンラインになり、同時期に企業のDX化が話題になってきてから、様相は変わってきた感覚があります。
先週は応募者(学生さん)の生成AIの活用の現状について考えてみました。
応募者側はES(エントリーシート:以下ES)や職経歴書の作成や面接対策等で活用していました。
今やそれが就職活動のデフォルト。以前よりも合理的・効率的になっているのは確かです。
企業側も、生成AIの活用なしでは、採用活動の運営はできなくなっています。
企業側の生成AI活用のメリットはいくつかありますが、やはり一番は採用業務の効率化でしょうか。
採用部門をはじめとする間接部門は、あまり”増員”をしない印象があります。
利益を生まないということなのでしょうか。(私個人は採用・総務・人材育成は十分な利益貢献と思っていますが)採用業務を外注している会社もあるくらいですから。
いずれにしても、応募者数の増加と業務負荷の増加は比例します。
この業務負荷をAIツールやチャットボットの活用により、様々な業務(作業)を自動化できますし、その自動化により担当者がやるべき仕事の優先順位づけもスムーズです。
結果として、手間や時間の削減につながっています。
人手不足の中小企業こそ、積極的に活用すべきですね。
その業務効率化で、かなりの時間短縮になっているのが、書類のスクリーニングではないでしょうか。
AIが選考書類を解析して、その企業が求めるスキルや経験に合致する候補者をピックアップしてくれます。
一定の基準、短時間で正確にスクリーニングできるので、担当者間の視点のバラツキもないですし、属人的なスキルに頼る必要もありません。
生成AIが作成した書類を生成AIが判断すると、どうなるのかは何とも予測がつきませんが(苦笑)業務効率化につながっていることは間違いないです。
また同じく手間なのが、日程調整です。
応募者とのやり取りを自動化し、面接可能な日時を提示・確定が可能です。
面接予定のリマインドも自動で設定してくれるので、本来の目的である「応募者とのコミュニケーション」に労力をかけることが可能になりますね。
先日研修でお会いした入社3年目の採用担当者の方は「本来であれば、私がやっているはずの面倒な作業をAIがやってくれるので、すごく助かっています」と言っていました。
その他、応募者からの問い合わせもチャットボットが対応にしておけば、かなりの時間短縮になります。
同じことを何度も回答することほどムダに感じることはありませんから。
応募する側も採用する側も、AIをフル活用している、就職(採用)活動。
両方ともAIがやることと、人間がやることの棲み分けは出来てきたような気がします。
裏を返すと、その人のパーソナリティーやスキルで対応する領域が絞られてくるので、選ぶ、選ばれる理由が、人に起因してくると思います。
改めて、スキルアップやマインドアップの啓発が必要であると感じた今日この頃です。