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岩田 徹

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第200回 先入観は可能を不可能にする

2024/10/11

アメリカのメジャーリーグはポストシーズン真っ只中。
長丁場のシーズンで好成績を収めたチームが12チーム集まり、
世界一を目指して戦っています。
世界最高峰の選手たちが鎬を削って最後まで戦う姿。
その姿を見て歓喜するファン。
目の前の試合、一球一球に全力を尽くす姿は、
高校野球とはまた違った面白さがあります。

この一年、日本で放送されるメジャーリーグ関係の話題を
ほぼ独占してきた大谷翔平選手も出場しており、
ファンの希望としてはワールドシリーズに出場し、世界一を取り、
さらにM V Pまでとって欲しい、というのが本音ではないでしょうか。
今や世界一の選手と言っても過言ではない大谷選手の活躍を、
1日でも長く見たいのがファン心理です。
そして、その大谷選手に憧れ、プロ野球選手、メジャーリーグの選手になりたい、
と考える子どもたちも多いことでしょう。

大谷選手に関わる話で有名なのが、花巻東高校時代に書いたマンダラマップ。
目標を細かく設定し、ど真ん中にある夢の実現に向けて努力を続ける方法です。
花巻東高校時代に指導した佐々木監督は、
選手としてずば抜けた能力を持つ大谷選手を特別扱いすることなく、
高校球児として、そして一人の高校生として、野球だけでなく生活面も指導していたそうです。
高校の3年間でピークを迎えるのではなく、長い人生で将来に向かって成功してもらいたい、多くの人に愛される人になってもらいたい。
そんな想いで正面からぶつかり続けたそうです。
その佐々木監督は大谷選手の目標設定の際、
目標の人物を定めて、この選手のようになりたい、と目標設定させるのではなく、
この選手を超える、と具体的に大きな目標を立てさせたようです。
自分の中の先入観で目標に限界値を設けるのではなく、
さらに大きな目標を意識させることが大事だそうです。
佐々木監督は、「先入観は可能を不可能にする。」と指導されています。
これは実現が難しいのではないか。
もしこういう条件がなければ、など、人はとかく先入観を持ちやすい生き物です。
ただこの先入観が行動や思考を制限し、可能性の目を潰すことがあります。
先入観を持たなければ実現可能だったものが、行動と思考の抑制により不可能になる。
そういったことはスポーツだけではなく、ビジネスの世界、
実際の生活でも起こっているのではないでしょうか。
先入観によって行動や思考に制限をつけず、
高い目標を持って実現させていきたいと感じた、そんなエピソードでした。