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岩田 徹

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第193回 魔物は自分の心が作り出す

2024/08/23

熱戦が繰り広げられた夏の高校野球も本日の決勝戦を残すのみ。
東東京代表の関東第一高校と、京都代表の京都国際高校の戦い。
どちらが勝っても初優勝。
両校共に好投手を複数擁し、守備の固いチーム同士。
手に汗握る決勝戦を繰り広げてくれるのではないでしょうか。
2024年の高校野球を締めくくる試合。楽しみにしています。

いよいよ決勝を迎えた今大会ですが、話題の中心となった学校は、
島根県代表の大社高校でしょう。
初戦で優勝候補筆頭の報徳学園に勝利し、
3回戦の早稲田実業戦では、延長11回のタイブレークを制しサヨナラ勝ち。
93年ぶりのベスト8進出を勝ち取りました。
アルプススタンドを中心に、スタンド中が大社高校を応援しているような、
そんな雰囲気の中で試合が進んでいました。
迎えた準々決勝の神村学園戦。
残念ながら大社高校は敗退しましたが、最後まで粘り強く戦う姿勢は、
高校野球ファンの心をガッチリとつかみました。

対戦相手の神村学園は、昨夏のベスト4のチーム。
その時のメンバーが10人も残る、優勝候補の一角のチームでした。
神村学園は甲子園での優勝を目指し、技量の向上はもちろんのこと、
甲子園での相手チームの大声援にも負けない心を鍛えようと、
地方大会から準備をしていたようです。
相手校が全校応援で大声援を送る中、
地方大会の準々決勝まであえて全校応援をつけず、
完全アウェイの状態を作りながら大会を勝ち進み甲子園切符を勝ち取ります。
神村学園の小田監督は、
「甲子園に魔物はいない。魔物は自分の心が作り出す。」
とおっしゃいました。
そういった備えがあった上でもなお、大社高校の応援は凄まじいものだったそうです。
選手の力量が高いチームが、技術だけでなく精神面も鍛えて挑む。
どこまでやっても万全とはなりませんが、
あらゆる場面を想定して準備をしているからこそ、
大事な場面で力を発揮することができるのでしょう。

魔物は自分の心が作り出す。
これはスポーツだけに限りません。
仕事の場面においても起こりうることだと思います。
高校野球から得られる仕事のヒントはまだまだたくさんありそうですね。