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益田 和久

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第179回 DX勉強会

2024/08/08

先日故郷鹿児島に仕事を兼ねて帰省しました。
いくつか仕事はありましたが、そのうちの一つが地元テレビ局さんのDX勉強会。
今回は講師ではなくアドバイザーとしての参加です。
今回は企画が盛り沢山。
DX化により業務の合理化、効率化を推進している中小企業、自治体から現地でお話しを伺うというものです。

午前中の会場は廃校になった小学校をコワーキング・コミュニティスペースとして再活用している日日nova(ひびのば)。https://hibinova.com/ 
こちらを運営されているLR(エルアール)さんのDX化について、社長をはじめ3人の方がそれぞれのお立場から、DX化の必要性や導入効果は勿論のこと、苦戦していたことも教えてくださいました。https://local-revitalization.co.jp/
同社はふるさと納税の運営サポートをメイン事業とされているのですが、各自治体から引き合いがあって業務提携をした場合、その自治体の近くに事業所を開設することになるそうです(そのほうがその自治体のこともよく理解できるし関係者ともやりとりしやすいようです)
そしてリモートワークも推進されている関係から、社員間のコミュニケーションはデジタルツールが中心となるようです。
コミュニケーションツールだけでなく、業務管理やコンテンツ作成のツールも含めて利用中のツールを教えていただきましたが、想定以上の多さに驚愕しました。
こんなに使いこなせるのかと質問してみたところ、ツールの位置づけや使い分けが明確で、且つそれを使いこなす社員の方が一定のリテラシーがあることに納得させられました。
そこに至るまでにトライアンドエラーも重ねており、やはり経験に裏打ちされた方針は合理性が高いと思った次第です。

LRさんのお話の後は、地元日置市の永山市長から行政DX化のお話を拝聴。
https://www.city.hioki.kagoshima.jp/
日置市の人口は5万人弱。少子高齢化、人口減少も進んでいます。
この市をどうやって元気にしていくのか。中心に置いたのがDX。
支庁内(業務のDX化)と支庁外(住民サービス)にわけて考えたそうです。
市長ご自身の人脈をベースに様々なビジネスパートナーと話をしながら、身の丈に合った使えそうなシステムを少しずつ導入、開発して、業務のデジタル化を図ったようです。
住民サービスもスマホで展開出来るサービスをスタート。
デジタル弱者といわれるお年寄りにもスマホの使い方をレクチャーしながら、デジタルサービスの便利さを理解してもらい、徐々に浸透させているようです。
なによりすごいと思ったのは、職員全員一人一人には市長がマンツーマンで面談をして、住民の方にはそれぞれの集落での集会で市長が懇談形式で、日置市をどう変えていきたいかを話していること。
どこまでいってもDXとは、デジタルの力を活用し、どのように「トランスフォーメーション」していくか、この点を関係者とすり合わせておくことが大事であることを教えていただきました。
デジタルはあくまでも手段であって目的ではないことを認識することが大事ですね。

最後は地元企業でグローバル展開をされている小平さんを訪問。https://www.kobira.co.jp/
とってもおしゃれなオフィスでお話しを社長、副社長から、ここ数年のDX化のお話しを伺いました。
小平さんは創業100年の老舗企業。
現社長は4代目。
ここでは前社長のときから在籍されている古参の社員の方(年齢的にも50代以上)に、どうやってDXを展開したのかというお話しが印象的でした。
従来の社風から、DX化への抵抗感はなかったようですが、使いこなすリテラシーの教育は地道にやってこられたようです。
粘り強く教える人の存在も大きいと思います。

今回、いろんなお話しを聞かせていただきましたが、共通していたのは「トップの描くビジョンとそれをやりきるという覚悟」だと思いました。
そのビジョンと覚悟をどう波及させていくのか。
私は一社(団体)でも多くの方がDX導入を進めていけるよう、更に研鑽を重ねていこうと思いました。
関係者のみなさま、貴重な機会をありがとうございました。