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深山 敏郎

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第79回 職場チームのレジリエンス(6)チームの相乗効果

2022/12/20

前回は、「チームメンバーのリソース活用」についてお話してきました。

今回は「チームの相乗効果」というテーマでお話をします。

チームとしての相乗効果は発揮出来ていますか

職場チームの理想は、個人がバラバラに仕事をしている時とは異なり、メンバー全員が協力し合って最高の成果を出すことです。
つまり、1+1が2ではなく、5にも10にも、それどころか1,000にも2,000にもなることが理想です。

「理想は分かっているんだけれど、具体的にはそうすればいいの」という方が多いのではないでしょうか。
日頃からチームの仲間がどのような仕事をしているかを理解せずに、個人で仕事に没頭しているという職場が多いのではないでしょうか。

こうした状況で、職場に相乗効果が働いていないことを、よく「個人商店の集まり」あるいは「タコツボ仕事」といいます。
結果として、メンバー全員が頑張っているにもかかわらず、成果が上がりづらい職場ということになります。
1+1が2にも満たない状況を指します。
こうした職場では、安心して有給休暇を取れないばかりか、トイレに行く時間も惜しんで仕事をしなければならない、といったことが現実となることでしょう。

チームとして相乗効果を計画的に育てる

では、職場チームとして相乗効果を発揮するにはどうすればよいのでしょうか。

例えば、次のような方法があると、筆者は考えています。

①互いの仕事内容や課題を共有する
部署の中で互いの仕事や課題を理解し、手助けが必要な時に言いやすいように日頃から情報交換をしておく、それを3分ミーティングなど短時間で行うことがコツです。
そして、勤務時間中にちょっとしたタイミングを見つけて毎日のように行います。

②得意分野を日ごろから周囲に発信する
これは少し勇気が必要ですが、得意分野を自ら発言してチームのリソースとしてそれらをフル活用してもらうよう働きかけることも相乗効果を発揮するきっかけになるでしょう。
新人や若手社員はなかなか言いづらいので、上司や先輩は、誰でも言いやすい雰囲気づくりを心掛けることが必要です。

「場」を作る

このようにチームとしての相乗効果を計画的に育てるためには、まず、こうしたことを話し合える「場」を作ることが必要です。
皆様の職場には、互いにオープンに何でも話し合える「場」が、どれだけあるでしょうか。

私の友人で、LPガス販売店の店長が「雑談ミーティング」という非常にリラックスしたミーティングを開始しました。
LPガス販売店の社員が外回りから帰ってくると、1対1で5分程度、何でもいいから雑談するのだそうです。
店に帰ってくる時間はバラバラですから、店長としても個々に対応しやすいのです。
趣味のこと、家族のことなど何でも雑談をするのだそうです。

数か月して、その成果が現れました。
それまで営業会議などで若手や新人だけでなく中堅社員も何もしゃべらなかったのですが、次のような発言が出てくるようになったそうです。
「店長、そんなことを来月やってもダメだよ、〇〇という条件が整ってからやった方がいいよ」明るい雰囲気でオープンな意見が出て来て、結果として現場の全員が納得できるようなタイミングでイベントを実施して、成果に結びついたとのことです。
「雑談ミーティング」を開始して半年後くらいには、営業成績も向上してきたということです。
今では、他の拠点でも「雑談ミーティング」を開始したのだそうです。

チームの相乗効果を発揮するために、このように工夫すればすぐに出来ることから始めてはいかがでしょうか。


レジリエンスの高い人の特徴を詳しく知りたい方は、拙著:「レジリエンス(折れない心)の具体的な高め方 個人・チーム・組織」(セルバ出版)などをご覧いただければ幸いです。

toshiro@miyamacg.com (筆者:深山 敏郎)
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