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塩崎 俊樹

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【第38回講座】自分の常識はスタッフの非常識

2021/08/30

何度言っても変わらない

ある飲食店の店主と食事をしながら、スタッフの育成のことで相談を頂きました。
料理長が全然育たなくて、どうしたらいいのか悩んでいます。
具体的なことを聴いていくと、同じことを何度言われても、動きが変わらなかったり、成長を感じなかったり、危機感を感じているように見えなかったり・・・
色々と聴いていくと、今のままの店主の関わり方では、決して料理長は変わらない。と感じました。

相手を変えようとしている限り、相手は変わらない

「他人と過去は変えることができない。自分と未来は変えることができる」
この言葉にあるように、相手をいくら変えようとしても、相手は決して変わりません。
その理由は、相手に自分の意思があるからです。

意思とは心でもあります。
こちらがどれだけ正しいと思うことを伝えても、相手はそれを正しいとは思っていない可能性があります。

もっと言うと、コチラが正しいと思っていることは、相手にとっては非常識であり、無知の極みであると捉えられているかもしれません。
年齢や経験など立場の違いが大きいほど、自分の常識が相手にとって非常識である可能性があります。

この常識のギャップもあり、意思の違いもある中で、相手が自分の思うように変わることはほぼ不可能なのです。
いや変わったよ!と言える場合もあるかもしれません。
しかし、その場合は心までは変わっていないで無理やりあなたの前で自分を作って関わっているのか?
あなた自身の関わり方が変わったことで相手が変わったのかもしれません。

言葉遣いを変えなければ、相手は変わらない

また相手を変えようとしていると、発する言葉の一つ一つに、自分主体の言葉が出てきます。

「あいつを変えようとしているんだけど…」「あいつに〇〇させようとしているんだけど…」このように変える、させるといった言葉は、主語が自分であって、相手の意思が決めることではありません。

この言葉遣いの問題は僕自身も昔上司に言われた時、ハッとしました!!無意識にこの言葉を使っていたのです。
それでは変わらないよ!と言われ、意識して、相手が主語の言葉に置き換えて、同じような言葉を伝えるように意識しました。

しばらくこの言葉遣いの変化を続けていると、関わる人がどんどん思っていた以上に変わってくることを感じました。
それくらい、この言葉の使い方を変えることは、相手が変わる上でとても重要なんです。

自分が変われば相手は変わる

相手を変えたいと思った時、一番効果的な方法は自分自身が変わることです。
伝え方、関わり方、仕事の仕方などなど相手から見える自分が変わることで、相手の方は少しずつあなた自身に対する信頼が高まり、変わるきっかけに繋がっていくのです。

人財育成の基本は、人を育てるのではなく、人が育つ視点で考えることです。
育てるの視点で、相手を変えようとしています。
あくまでも育つの視点で考え、研修や会議、面談のあり方を変えていくことが求められています。
まずはこのように話し方や関わり方で主語を変えて、相手と関わることから、自分を変えてみてはいかがでしょうか。

☆今日の質問☆
あなたは関わる相手のことを話す時、主語は相手になっていますか?