2018年5月に導入され、コロナ禍で2020年から休止していた「ユニバーサル・スペクタクル・ナイトパレード ~ベスト・オブ・ハリウッド~」の運営終了を「USJ」が発表しました。
華やかなショーの幕が閉じる一方で、同社の戦略は「終わり」ではなく「常に新しい魅力を創る更新サイクル」にあります。
その背景には、「任天堂」との提携による「スーパー・ニンテンドー・ワールド」や「クールジャパン」企画といった派手な投資に加え、実は“人材戦略”こそが成長の基盤にあるという事実があるようです。
“テーマパークの魅力”は、キャラクターや設備だけでは完成しません。
ゲスト体験を形づくるのは、現場で働くスタッフの接客力や演出力、そして地域や文化を理解する力が重要。
同社は開業以来「ホスピタリティ教育」に力を注ぎ、森岡毅氏によるV字回復期以降は「感動体験を創るのは人」という哲学を徹底し、キャストが “自ら考え、演じ、ゲストを巻き込む文化”を育んできました。
採用においても、俳優や語学人材、リタイア後の挑戦者など多様な人材を受け入れ、“人材の共演”によって現場を活性化しています。
研修では「マニュアルを超える力」を重視し、トラブルや突発的な要望に“即応”できる判断力とチームワークを鍛えていますが、これらはAIや自動化では置き換えにくい資質であり、USJの競争優位の根幹なのです。
華やかなパレードが終わっても、進化は止まらない。「IP戦略」と「地域文化の発信力」、そして「人材育成」という目に見えにくい投資こそが、USJを支える最大の資産なのであります。