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益田 和久

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第181回 フォーマット

2024/08/22

今年度に入ってから、登壇する研修のときに、DXに関する質問や報告をお聞きする機会がグッと増えたような気がします。
私自身がDXについてのアンテナを常に立てているということもあるとは思いますが、お客さまの職場でもDX化が着実に進んできている証拠だと感じています。

私自身の研修では、DX化についての専門的なこと(テクニカルなオペレーション)について講義展開をすることはありません。
今後の働き方や仕事の進め方をアップデートしていく上で、その重要な手段の一つとしてDX化を推奨しているのがほとんどです。
この点は大事な部分だと思っていて、手段が目的化しないためにも、最初に考えるべきは自分(自組織)の働き方や仕事の進め方を見直すことだと訴え続けています。

そういう背景があり、研修のテーマが「仕事の進め方」「業務改善」「タイムマネジメント」という類のものが多いのですが、キーワードとして出てくることが多いのが「標準化」「マニュアル化」です。
このことはDX化がトレンドになる前から、個人、組織として仕事を合理的に進めていく上での必須条件でもあります。
標準化、マニュアル化については、その取り組み具合にはかなりの差があることを感じます。
“取り組み具合の差”というのは、意識の差ではなく具体的なアウトプットの差です。
具体的なアウトプットとはマニュアルやチェックリストといった可視化のことです。

マニュアルやチェックリストを作成したほうがいいと思っているのはみな同じ。
同時に業務多忙で、そのアウトプットする時間を確保できないのもみな同じ。
そんな状況においいて、アウトプットが進んでいる人(組織)は何が違うのか。
うまくいっている方々にお話しを聞いていく中で見えてきたことが「フォーマット」です。
マニュアルやチェックリストに落とし込むフォーマットが決まっていると、その後の作業はサクサクと進んでいくということです。
確かに研修のときに「マニュアルってどういう感じでまとめるのがいいんですかね」とか「なんか見本になるようなチェックリストってありますか」という質問がよくでますよね。
そもそも、業種職種全般共通の業務マニュアルフォーマットが存在するわけではありません。
またマニュアルやチェックリストは常にアップデートしていく(べき)ものですから、「これが正解」というものも存在しないと思います。

だからこそ、現時点で自組織にとって使い勝手がいいものに限りなく近いものを、フォーマットとして選択すればいいのではないでしょうか。
インターネットで検索すればフォーマットは山のように出てきますし、AIにある程度の情報をインプットした上で指示すればそれなりのものは出てきますしね。
そのこと自体もみなさん、おわかりのはずなのです。
まずは自分のイメージに近いフォーマットを選択して、いったん作成してみる。
そこから修正を考えていけばいいのではないでしょうか。
マニュアル化が進まない理由は、理想のフォーマット探しで時間を浪費していることではないかと感じた今日この頃です。