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深山 敏郎

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第67回 経営者のレジリエンス(17)経営者のセルフ・マネジメント(ストレス・マネジメントIII)

2022/09/27

前回は、経営者のレジリエンス(16)経営者のセルフ・マネジメント(ストレス・マネジメントII)でした。

今回は、予定を変更して「経営者のセルフ・マネジメント(ストレス・マネジメント)III」というテーマです。

経営者は自分だけストレスをためていると錯覚する

社長業を長年していると、自分が孤独であると感ずることが多いことでしょう。
社員とともに苦楽を乗り越えてきた、と言っても最終的に「責任を取るのは自分」ということから逃れられません。
ですから、「自分は社内で一番ストレスがたまる」と錯覚します。

実際のところ、そうした社長の姿を見ている社員や、ことによるとご家庭の方々は、もっと大きなストレスを感じているのかもしれません。

ストレスは本当にマネージできるのか

厳しい言い方をすれば、誰でも自分のストレスは自分で管理できるように出来ているのです。
上記のような錯覚があると、従業員の楽しそうな姿を見て、「私は何とかわいそうなことか」と恨めしくなってしまいます。
こうした考え方は、ほとんど役に立ちません。

もし自分を憐れむことで、ご自分や周囲が幸せになるのであればよいのですが現実にはそうしたネガティブな思い込みをしている暇もありません。
そうすると、業況はどんどん悪化して、もっとストレスのたまりやすい状況に追い込まれます。

経営者は毎日、まるでラグビーか、アメリカン・フットボールの試合をしているようなものです。
自分が前へ進まなければ、押し戻されてしまうか、(商売上の)ライバルに先を越されてしまいます。

そこで本日のテーマである経営者自身のセルフ・マネジメントとしてのストレス・マネジメントの話になります。

このコラムシリーズを当初からお読みいただいている方はもうお分かりのように、ストレスは自分でマネージすべき対象なのです。
例えば、ストレスが低すぎれば頭がぼうっとしていて物事を考えられません。
かといって、ストレスが高すぎるパニック状態に陥っていれば、自分ではどうすることも出来ません。
周囲に落ち着かせてもらうしかなくなるのです。

ストレスをマネージする3つのステップ

適度なストレスにマネージしていくには大きく次の3つのステップが必要です。

1.現在自分がどの程度ストレスを感じているのかを理解する
2.そのストレスを、どうしたいのかを意思決定する(高めたい、あるいは低くしたい)
3.自分で決めたことを実行する

という内容です。

1.現在自分がどの程度ストレスを感じているのかを理解する
Webでもストレスチェックのツールを使うことが出来ます。
そうしたツールを探します。
Web厚労省のこころの耳などは無料診断ツールです。

2.そのストレスを、どうしたいのか意思決定する(高めたい、あるいは低くしたい)
ご自分が負担だと感じているストレス内容を紙に書きだす(あるいはPC等で入力)。
そのストレスをどうしたいのかを決めます。

3.自分で決めたことを実行する
このように自分で決めたことは、実行します。
実行した上で、思った通りになっているかを確認します。
もし思った通りに行っていない、という場合は是正措置をとります。
これらは社内の仕事の進め方と何ら変わりません。

簡単なことですが、ご自分を知り、どうしたいのかを考えて実行してみませんか。


次回は「経営者のセルフ・マネジメント(ヘルス・マネジメントの必要性)」というテーマを考えてみます。

レジリエンスの高い人の特徴を詳しく知りたい方は、拙著:「レジリエンス(折れない心)の具体的な高め方 個人・チーム・組織」(セルバ出版)などをご覧いただければ幸いです。

toshiro@miyamacg.com (筆者:深山 敏郎)
株式会社ミヤマコンサルティンググループ
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