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高松 秀樹

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第85回:都心脱出の流れ

2022/07/30

「都心からの移転」というと、本社機能の一部を兵庫県淡路島に移すとして話題を呼んだのが「パソナグループ」。同社は、2024年5月までに管理部門を中心に1,200人を移動させる計画を進めています。

コロナ禍における感染拡大で、本社機能や主要拠点が首都圏に集中することの「脆弱性」が改めて認知された昨今。

「多様なワークスタイル」が進められ、在宅勤務が定着するなか、本社など主要拠点を都市部から地方に移転・分散する動きは、急速に進んでいるようです。

2021年には、首都圏から地方へ本社を移した企業の数は、351社となり「過去最多」。首都圏としては11年ぶりの転出超過となっているのです。

昨年、移転計画を表明した企業は、大手芸能事務所の「アミューズ(東京→山梨県富士河口湖町)」のほか、仏タイヤ大手の日本法人「日本ミシュランタイヤ(東京→群馬県太田市)」、光学・電子製品向け材料部品製造の「デクセリアルズ(東京→栃木県下野市)」などがありますが、超巨大企業「NTT」も、首都直下型地震などの大規模災害で東京に大きな被害が出た際にも事業を継続できるように、東京の本社機能を「群馬県高崎市」と「京都市」に「分散させる方針」を固めたようです。

経営企画や総務部門の社員が平時から業務の拠点として活用し、災害時には「復旧の司令塔」を担うことを想定しているようですが、2022年10月にも試行を始め、グループ会社にも本社機能の「地方分散」を促すとのこと。
選ばれた2都市は、地震や津波、洪水のリスクが相対的に小さいと判断されたようですが、国内従業員数が約18万人に上る日本最大級の企業グループの試みは、今後、他の大手企業にも影響を与えそうですね。