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益田 和久

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第57回 ICT教育の効用

2022/04/07

前回の投稿でICT教育のことを書きました。(ICT教育の概要説明は前回投稿で記載しましたので割愛します)

弊社は、私立学校向けに課外学習(修学旅行や語学留学、部活の合宿等)を提案している旅行会社営業部門のプロジェクトに携わっていることもあり、文部科学省の指導要領やガイドラインはある程度理解をしておく必要があります。
その文科省指導の一つである「GIGAスクール構想」の中心となるのが「ICT教育」です。
ビジネスパートナーが、私立学校にコンサルに入っていることもあり、先述した旅行会社のプロジェクト内で具体的な活用方法について教えを請うています。
教育設計については現時点では門外漢ですので、言及しません(できるレベルにありません)が、一方で教員の方々の働き方改革の一助になっていることにはとても興味がありましたし、このあたりはいろいろとアイデアが出てきそうな気がします。

現時点でよく利用されている機能として「採点業務」があるようです。
採点業務をITに任せるので、選択式の設問と思っていたら、記述式の設問でも(回答のボリュームによりますが)対応可能とのこと。
実際にサンプルを見せてもらいましたが、作業精度としてはかなり高いものになっています。
もちろん集計もできるので返却も早くできますし、正答率も出せるので、その後の補習計画も立てやすいようです。

仕事柄、私もテストの採点をすることがあります。
採点をする立場からすると、受検者の顔を思い出しながら、その回答に至るまでの取り組みをイメージするのも一つの楽しみだったりします。
ただ、学校教員の方々はそんな綺麗事もいっていられないくらい、業務量が膨大で、物理的にも精神的にもかなりのダメージがあるようです。

採点というある意味“誰がやっても同じ作業”はAIに任せて、教員の方々は創出された時間を別のことに充てていく。
教員の方々が本来最も時間を注ぎたいであろう、わかりやすい授業の組み立てや練習問題の作成、生徒さんへの指導に注力できるなら、積極的に推進すべきことです。

ICT教育の目指すものの一つとして「個別最適化」というものがあります。
AIと教員の指導スキルをうまく融合させることで、生徒さん一人ひとりに合った適切な学習指導を実現していくことなのですが、教育現場においてその具体的な運用イメージが腹落ちできていないのが実情ではないかと推察します。

話を聞く限りでは、学校の教育現場は良くも悪くもアナログ的な仕事の進め方が多々あるようです。
その点からすると、学習塾や学習教材メーカーのリリースしているデジタル教材は、思想的にも技術的にも先行していますし、子どもたちもそういったものに親和性を感じているのも事実です。

そう考えていくと、社会人教育の現場では、ICTは進んでいると思います。
Eラーニングや動画教材も、個別最適化を目指したものも増えてきましたし、それらをとりまとめていくプラットフォームのようなものも続々とリリースされてきています。

弊社としてもそういったコンテンツの開発や融合に注力していくと同時に、本当に私たちコンサルタントでしかできないことはどんなことなのか、どの領域なのかを明確にして、強みを活かしていけるような仕事をしていきたいと思う今日この頃でした。