HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

益田 和久

ホーム > 益田 和久 > 記事一覧 > 第45回 ニュース

第45回 ニュース

2022/01/13

毎年この時期から新入社員研修の準備を始めていますが、お客様とのお打ち合わせの中で良く出てくるのが「ワカモノが新聞を読まない」という話題。
実際に若手社員の方々に新聞を定期購読しているのかを尋ねると、想定以上に(定期購読していない人が)います。
ただ「新聞を定期購読していない=新聞を読まない」ではありません、会社や家族が定期購読していてそちらで済ませている人もいるでしょう。
問題視しているのは、情報収集の手段がインターネット経由になっていること、具体的にはヤフーニュース等のニュースアプリで済ませているのではないかということです。

私はニュースアプリで情報収集をすること自体は、何ら問題ないと思っています。
情報の速報性という点は新聞より遙かに優れています。
新聞も電子版で読む時代ですし、スマホやタブレットのほうがいろんな面で読みやすいような気がします。
では何を懸念しているかというと、表面的な情報収集に留まってしまうのではないかということです。
確かに、ニュースアプリ(サイト)は“広く浅く”情報が掲載されているものや、アクセス数を稼ぐための“偏向報道”が多いものもあり、活用の仕方によって「薄っぺらい情報収集」に留まってしまうかもしれません。

新聞は速報性こそインターネットに劣りますが、情報の考察や分析という点では優れています。(新聞各社の電子版も随時情報更新をしていますので速報性も遜色ありません)
人によって何面から読むかの違いはありますが、掲載記事に一通り目を通すことで、背景や関連性を考察することができます、社会情勢を俯瞰する力が養われるのだと思います。

では、ニュースアプリではそういった「考える力」を養うことができないかというと、そんなことはないと思います。
ニュースアプリの中には、記事のキーワードにハイパーリンクが設定されていて、深く広く調べていくこともできます。
また一つひとつの記事に対して読者がコメントをしているものもあり、他の方の捉え方や考え方を知ることで、多面的な角度から考察や分析をすることができます。
そして何よりも自分にとって必要な情報の保存や共有が手軽です。(この保存や共有については、第31回「スクラップ」に書きました)こういった面からも、今後はニュースチェックという行為は、着実にデジタルにシフトしていくのではないかと思っています。

今年の新入社員研修でも情報収集という単元がありますが、新聞の読み方ということだけでなく、「オンラインを活用した情報収集、活用術」に言及してみようと思っています。
とはいえ、新聞に一通り目を通して、社会全体を俯瞰する力だけはベースとして必要だと思いますので、そこも含めて新しい時代のニュースチェックの在り方を考えなければと思う新年早々でした。