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金山 正明

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第43回 この人に聞く!~人・組織が羽ばたく時~

2021/10/10

湯澤社会保険労務士事務所 代表 湯澤悟様(其の3)

先週に引き続き、湯澤社会保険労務士事務所 代表の湯澤悟様にご協力頂きました。
湯澤様は、パワハラ根絶を掲げ、パワハラが起きない組織づくりに注力して日々活動されています。
今回は、湯澤様が目指す今後のビジョン、世界観というテーマでお話しを伺います。

金山: 今は事務所としても2名で活動されていると伺っておりますが、湯澤様が目指す今後のビジョンを聞かせて頂けますでしょうか。

目指すはパワハラの根絶!

そうですね。
現在は、パワハラ予防コンサルタントとして、日本からパワハラの根絶を目指して活動をしております。
今ではパワハラの研修をやっている方々が沢山いらっしゃいますが、大きな違いがあります。

私が目指している世界観の話にもなるのですが、パワハラの根絶なんですよ。
僕も過去に、もしかしたらパワハラをやっていたんじゃないかと思うところもありますし、自分自身のためにもパワハラの根絶を掲げているんです。

多くの研修は、パワハラ減らしましょう!というものですので、なくすことを前提にしていないんです。
パワハラの相談件数が増えるというのを何しろ止めたい。
根絶なのでゼロです。

パワハラだけじゃないですよね。
人権問題全てにおいてになりますけど、セクハラもそうですし、LGBTの問題、女性活躍の問題もそうなんですが、人を人として大切にする社会っていうんですかね、そういった世界観を目指してやっていますね。
そのためにきっと、大手企業からやっていくのが流れ的には良いんだろうなと思ってます。
それが徐々に中小に降りてくる。
その時に一人では当然成り立たないので、同じ志を持ったメンバー間でこの世界観を醸成していきたいですね。

金山:素晴らしい世界観ですね!
そこに湯澤さんの理念を感じます。

社会的意義のある教育を通じて、日本の企業を元気に強くする!

そうですね。
私、ビジョンとして「社会的意義のある教育を通じて、日本の成長と利益の最大化に貢献する。言葉の定義を整え、人間関係の“ワクワク感”と“感動体験”を通じて、日本の企業を元気に、そして強くする」というのを掲げていまして、社会的意義と言うところがキーワードで、その一つが社会問題となっているパワハラの問題。

そのビジョンに従って、日本を強く、そして元気に。
そのボトルネックにハラスメント、細分化するとパワハラと言うのがボトルネックになっているんじゃないかと思います。

そして今、世の中のパワハラ行為者の半数近くは無自覚者なんです。
自覚がない無自覚者にどう自覚をしてもらうか。
そういった観点から、適性検査会社(有限会社グローイング)と共同開発で、管理職教育用Web適性検査「パワハラ振り返りシート」を作りました。

「パワハラ振り返りシート」は、管理職自身に自らの行動・言動について客観的な視点から振り返りの機会を与えて、私のような専門的な知識のある者が診断結果を分析して、客観的な立場からパワハラの行為者になるリスクが高いことを指摘するツールなんです。

「パワハラ振り返りシート」は、健康診断を受けるようなものとお考えいただくと分かりやすいでしょう。
健康診断で、気づかなかった病気が発見されるというのはよくあるものです。
自分は健康だと思っていても、いざ診断書が出れば人は信じます。それと同じだと思って下さい。

健康診断をやってもらって、何らかの数値が悪化している時って何らかの要因はあるわけで、そこに本人が自覚していればすぐに対応できると思うんですけど、自覚がない場合はどうしていいか分からないんですよね。
無自覚者に客観的なデータを使って気づきを与える。
そして行動変容につなげる。
これをやらないと根絶に向かわないので、そういう研修を私は提供しています。

金山:なるほど。パワハラ根絶の根底にあるのは、日本の企業を元気、そして強くするという想いだったんですね。
最後に教えて頂きたいのですが、パワハラが起きない組織を作るために会社ですぐに取り組めることってあるのでしょうか。

言葉の定義を整える

そうですね。
特にこの時代、言葉の定義のズレからコミュニケーションエラーが起きて、それがパワハラにつながるといったことがあります。

例えば部下がコミュニケーション取れていると自覚をしていても、上司からすると、あなたが一番コミュニケーション取れていないんだよ、といったズレってよくあることだと思うんです。
これって、コミュニケーションという言葉の定義がはっきりしていないんですよね。

できている、できていないを議論するならば、しっかりとした基準とか定義がないとだめなんです。
私の場合、コミュニケーション=意見の違いを楽しむという定義を持っています。
だからコミュニケーションが取れていない人に対して、「それって意見の違いを楽しんでないでしょ」、「人の話、全部排除しているよね」と言ったように、できた、できないを明確に分かるようにしているんです。
そうでないと、楽しむこともできないでしょうし、感動と言うのも味わえないと思うんです。

そこのボタンの掛け違いをなくすことによって、同じ方向を向けて、そこに共感が生まれて、言いたいことも言い合えて、会社に来るのが楽しくなる。
会社に来る人たちが元気であれば日本は元気になると思うんです。
ですから、言葉の定義をはっきりさせて共通認識を持つことは大切にしています。

金山:色々とお話を聞かせて頂きありがとうございました。
今回の対談では、湯澤様のパワハラ根絶のための取り組みと、その体験談から経営に活かせる情報を沢山頂きました。
これからますますのご発展をお祈り申し上げます。

今週は、湯澤様が目指す今後のビジョン、世界観というテーマでお話しを伺いました。
次週は最後の結びとして、私が今回の対談から得た学びと気づき、そして人、組織の育成に活かすためのポイントをお届けします。

会社情報

会社名:湯澤社会保険労務士事務所
本社:東京都中央区東日本橋3-6-6 さつきビル5階
コーポレートサイト:https://office-yuzawa.com/
事業内容:・パワハラが起きない組織づくり専門コンサルティング
・パワハラ予防・対策研修
https://office-yuzawa.com/pawahara-kensyuu/
・管理職教育用Web適性検査「パワハラ振り返りシート」(共同開発者)
https://office-yuzawa.com/pawahara/