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深山 敏郎

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第5回 レジリエンスを高めるポジティブ思考法(1)

2021/07/20

前回と前々回はヤークス・ドットソンのストレスカーブ図を用いて、ストレスと仕事の生産性、そしてストレスコントロール法について理解してきました。
図が小さいという声を頂戴しました。
ご希望があれば、PDF形式でお送りしますので、お手数ですが文末のメールアドレスまでご連絡ください。

今回は、レジリエンスを高めるポジティブ思考法の第1回目をお届けします。

真の問題解決力を身につける

読者の皆さまには、問題解決のさまざまな技法を学んだ方や、「職場で実践しているよ!」という方がたくさんいらっしゃることでしょう。
一般的な問題解決技法と、ポジティブ思考のための問題解決力(真の問題解決力)とはどう違うのでしょうか。

ここでは問題を、あるべき姿、理想像と現実・現状のギャップと考えます。
それを埋める作業が「問題解決」です。
そのための思考法が「問題解決法」です。

(1)問題解決の一般的な技法

そもそも問題解決とは何でしょうか。
問題にはいろいろな種類があるといわれています。
ここでは代表的な分類法の一つをご紹介しましょう。

発生問題:発生してしまった問題、例えば事故、クレーム、不良品の発生などです。
これらは原因を分析して、その原因をつぶすことで再発しないように歯止めをします。
仕事の仕組みを変える、機械などのハードを変えるなどの方法があり得ます。

発見問題:発生問題とは異なり、普段は意識しない問題です。
しかし、よくよく検討してみると放置できないことです。
まだ起こってはいないのですが、事故が起こる可能性が高い状況、クレームが発生しかねない状況などです。

創造問題:将来ビジョンを構築し、それを計画的に実現していこうということです。
あえて問題を作るのです。
3年後、5年後に自社や自部門はこうなっていたい、だから今、こうしたことを解決していかなければならない、といった思考に基づく問題です。
経営計画を実現するプロセスともいえるでしょう。

(2)従来の思考法とポジティブ思考法の違い

ポジティブ思考法に基づく問題解決の思考法と従来の思考法との違いは何でしょうか?
一般的な問題解決技法を理解していても、用い方で大きな差が出ます。

①ダメな理由よりも、良くなる方法論に集中する
過去、ダメだった理由を絶対的なものと考えると、身動きがとれなくなります。
中小企業の経営者の方がもし、過去、大きな失敗をしたとします。
倒産の危機に直面する原因となる大失敗などです。
だから次回もだめだろうと、諦めてしまうことは事業機会を放置して失うなどにつながります。
そうすると伸ばせる事業分野が伸ばせなくなって、全体的に会社が停滞します。

そうではなく、「どうしたら成功できるか」、「成し遂げるためには何をしたらよいか」に集中します。
営業職の方であれば、過去ダメだった取引先を永遠にだめと決めつけるのではなく、どういう状況が変化したら取引をしてくれるかなどに思考を集中します。

②客観性を忘れない
人間ともすると1点集中してしまい、俯瞰(ふかん)すること、つまり大局的に物事を把握することを忘れがちです。
実は筆者もこうしたことがたびたびあります。
常に現状を冷静に把握することは難しいのですが、前回まで学んできたストレスコントロールを思い出していただき、なるべく状況を冷静に把握できるように自分のストレスをコントロールします。
部下や後輩、友人などの意見に耳を傾けることも冷静に状況を把握することにつながります。

整理すると、このようなことがレジリエンスを高めるポジティブ思考法です。

次回はネガティブと思える状況で、別の観方をする「リフレーミング」について検討しましょう。

図のPDF送付をご希望の方は、以下へご連絡をお願い申しあげます。
toshiro@miyamacg.com (筆者:深山 敏郎 宛)
株式会社ミヤマコンサルティンググループ
http://miyamacg.com/