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高松 秀樹

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第249回:店長年収を最大2,000万円に引き上げへ

2025/09/20

深刻な人材不足に直面する飲食業界において、丸亀製麺を展開する「トリドールHD」が大胆な報酬改革に踏み切りました。

現行の店長年収「最大約520万円」を、「最大2,000万円」へと大幅に引き上げる新制度を導入するといいます。

新たな制度では店長を実績に応じて4段階に分類し、売上や顧客満足度などで高評価を得た上位層に2,000万円の待遇を用意。3年以内に対象者を300人まで拡大し、最上位には10人を想定しているとのこと。

また子育て支援策として、15歳以下の子どもが店舗で無料飲食できる「家族食堂制度」も導入。
福利厚生面からも人材確保を後押しする狙いです。

この背景には、競合との人材争奪戦、成果主義へのシフト、従業員満足度の底上げという複合的な課題があります。

報酬の明確化は、現場の士気や店舗改善に寄与する可能性がある一方で、次のような課題も見えてきます。

・一部の上位者に限られる報酬が、逆に格差感を生むリスク
・評価基準の妥当性と透明性の確保
・経営的にこの制度をどう持続させるかという収益性の問題

それでもこの施策は、業界全体に「人をどう評価し、育てるか」の問いを突きつけています。
成果主義と人への投資がうまく噛み合えば、現場力の底上げとブランド価値向上を同時に実現できる可能性があるのではないでしょうか。

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