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岩田 徹

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第235回 戦力の底上げ

2025/06/20

高校球児にとって最高の舞台、甲子園。
3年生にとっては最後の夏の大会がいよいよ近づいてきました。
そして夏の大会の前哨戦とも言うべき春の大会も、地区大会が続々と終了しています。
早期に敗退した学校は最後の夏に向け日々の練習、そして練習試合と鍛錬を重ねています。
私が週末にランニングする河川敷でも週末は練習試合が開催されており、
夏の大会のレギュラー争い、ベンチ入りに向けて必死に取り組む姿が見られます。

高校年代の大会は大きなものは秋、春、夏とありますが、
春の大会だけが甲子園に直結していません。
ですが、一冬超えて激変する選手もおり、
新戦力の発掘や全体の戦力の底上げができるのが春の大会です。
緊張感のある公式戦でどこまで力を発揮できるか。
緊迫した舞台の経験が浅い選手がどこまで経験を積めるか。
勝ち上がることと同時に戦力の底上げを行うのが春の大会の価値になります。

都道府県予選を勝ち上がった代表校が集う地区大会。
入学したばかりの1年生が起用されたり、
エースや2番手の故障で、秋には3番手だった投手が主戦となり優勝したり、
センバツに出場したチームが万全の試合運びで優勝を果たしたり。
メディアに取り上げられる情報は少ないですが、様々なドラマがありました。
緊迫した実戦での経験は何事にも代えがたく、
実戦で出た成果と課題を残り少ない期間でしっかりと振り返り、
ここから最後の夏の大会に向けての追い込み期間が始まります。

和歌山県の甲子園常連校の智弁和歌山高校は、地獄の追い込み期間があるそうで、
夏の全国制覇から逆算して今一度、体力と気力の充実を図る練習を行うようです。
元卒業生に聞いたところ、体力の限界まで追い込まれ、
夏の和歌山大会が始めるタイミングが一番調子が悪いそうです。
疲労の回復ができていない状態で地方予選が始まり、
そこからコンディションが少しずつ上がっていき、
地方予選終盤や甲子園でピークになるようにしているそうです。

さて、今年も全国各地の地方予選でどんなドラマが待っているのか。
センバツ出場校や春の大会で戦力の底上げに成功した学校が必ずしも
夏の甲子園に出場できるかは分かりません。
思いもよらない学校が勢いに乗って出場するかもしれません。
ここから2ヶ月間の高校野球を楽しみたいと思います。

経営においても戦力の底上げ、充実を図ることは必須です。
緊迫した場面を自らの力で乗り越えて経験を積む。
経験を重ねることで対応可能な領域が拡がり、結果、組織全体としての力が向上する。
組織全体を見渡して、どの戦力をどのレベルに引き上げるのか。それには何が必要か。
常に考えながら組織力を向上させたいですね。