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伊藤 洋

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第10回 選択の基準

2021/06/21

私の前職が専門学校の広報・就職部で、現在は人材関連の事業も行っていることもあり、よく高等学校に講演に呼ばれます。
テーマは幾つかあるんですが、やはり進路に関するテーマが多いですね。

以前、ある高等学校にお邪魔したときは「イラストレーター・美術や演劇方面なでの仕事を希望している子たちに業界の現状や仕事内容のお話しをお願いします」というご依頼を受けまして訪問させて頂きました。

会場には女子高生ばかりが約10名ほど。
まずそれぞれの希望の職業を聞いてみました。

イラストレーター、声優、画家などなど。
皆さん志望しているだけあって業界のことは調べていて、大体のことはすでに知っていたようでした。

「で、何か相談したいことはある?」と聞くと、全員が「親が反対している」とのこと。
「なんて言ってるの?」と聞くと、これまた全員が「そんな職業は安定していない!」「お給料が安い!」と言っているらしいんです。

確かにフリーランスが多い業界ですから「安定」はしないかもしれませんし、売れる前はギャランティも安いのは確かかなあと思います。

ここで、思ったことは、あの子たちの保護者の皆さんは、お子さんの将来の職業に関しての判断基準が「お金」だけなんだ!ということでした。

確かにお金が無いと色んなものと交換できない社会ですから、困るんですけど、どう生きるかの生き方の選択の基準というか目的というのはお金だけでは無いと思うんです。
もちろん、人によってはお金を人生の目的にしても全然構わないんですが、今回の子たちの人生のメインの目的はお金じゃ無いんですよね。
お金は生活が維持できる程度に稼げれば良くて、自分の能力や特性を生かして社会と関わることを選択の基準としてるんです。

自分自身の人生をどう生きるかの基準を。

それを親が基準を決めるのは如何なものかと思います。

親や他の大人たちのすべきことは「どうすればそれが出来るようになるのか」を
一緒に考えて、一緒に探すことしか無いと思います。