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益田 和久

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第15回 ざっくばらんなコミュニケーション

2021/06/17

5月中旬から、中堅社員から管理職までのいわゆる職場リーダー層の方々を対象とした研修に、オンラインで登壇する日が続いております。

コロナ禍に対応したマネジメントも2年目を迎えますが、昨年から引き続きの課題は「メンバー間のコミュニケーション」昨年とは大きく違うのは、誰しもが未経験が故の“行き当たりばったり”であった状況から、試行錯誤しながらも、自職場にあったルールやツールを導入している状況へと進化していることです(あくまで私見)

リモートワークは、誰とも顔を合わせることもなく、一日が終わってしまうこともあります。
メールやチャットで何かしらの会話をしているのでしょうが、人と会話がない状態が続くのは、チームワークやモチベーションの低下に確実に影響を与えていることは、それぞれの職場で学習したようです。

短い時間でもいいから、仲間と顔を合わせて言葉を交わす。
何かの縁で同じチームに属するようになったのだから、時には仕事以外の話もして、お互いをよく知り、人間関係を深めていきたい。
困ったことやスッキリしないことががあったら、仲間に吐露していける。

以前なら、普通にできたことが、リモートワーク中心になったからできないというのは、努力不足ではないか。
むしろオンラインだからこそ、いろんなことができるんじゃないかと、職場リーダーのみなさんは「新しい仕事様式」を模索し、定着をさせ、日々改善を図っているようです。

いくつか紹介したいと思います。

例えば朝礼。1日のスタートです。
まずは、チーム全員で顔を合わせて朝のあいさつをする。
その上で一人ずつ、共有スケジューラーに記載してある予定の補足を伝える。
例えば、「14時〜16時はちょっと立て込んでます」とか「午前中は比較的調整がつくので何かお手伝いすることありましたらチャットください」などと、一言付け加えるだけで、チーム内のヘルプ要請やコンタクトもスムーズになるそうです。

また、日常的な世間話や雑談は、意識して機会を創っているようです。
定例ミーティング開始前の15分を、あえて雑談、世間話の時間と充てているようです。
口火を切るのは、その日の司会進行役の方。普段はチャットを使っての世間話をしていると、15分はあっという間のようですが、顔を合わせて話すと、また違ったものが得られるようです。

開始前にやることで、ミーティング時の議論を活性化させるためのウォーミングアップの効果もあるようです。オンライン上における“文書”と“対面”のツールを上手に使いこなしていますよね。

月に何度かは、ランチタイムを、オンラインにして、みんなで顔を合わせながら食べているというチームもありました。
「オンライン飲み」ならぬ「オンラインランチ」ですね。
コロナ禍の状況で、チーム内の食事会も開催できない状況が続いていて、リラックスしながら話す機会もなく、何となくチームの雰囲気もよそよそしい。
オンラインランチを提案した職場リーダーは「お昼休みはゆっくりしたいというかもなぁ」という反発も懸念しつつ、オンラインランチの話をすると、全員が「そういうこと、たまにはやりましょうよ」と全員が賛同してくれ、月に2回、定期的にやっているようです。
時間も1時間と決まっているので、束縛感もなく、気楽にできるようです。
半年くらい続けているようですが、風通しがよくなっているのを感じているそうです。

お悩み相談的な「夕礼」をやっているチームもありました。
若手の方や異動してきたばかりの方、業務を引き継いだ方を中心として「うまくやりたいのにやれていないこと、しっくりこないこと、聞いてみたいこと」などを中心とした、フリーディスカッションのような相談会をやっているそうです。
終業時間の関係で原則は30分くらいに区切っているようですが、話が盛り上がった場合は、プライベートZoomに切り替えて、オンライン飲み会に突入する場合もあるようです(笑)
特に、若手の方々は、悩んでいてもなかなか相談してこない傾向があるようで、こういった機会があると、言いやすいと好評のようです。

まだまだいろんな事例はあるのですが、コミュニケーションの改善に取り組んでいるリーダーは、「工夫すればできそうなことを、試行錯誤しながらも継続している」ことは共通していると思いました。
自分たちの状況に合わせて、いろいろとトライしてみることですね。
私は、顔を見て話せば、必ず心は通じると確信しています。