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岩田 徹

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第188回 メンタルの重要性

2024/07/19

連日、全国各地で高校球児の熱い戦いが繰り広げられています。
夏の甲子園を懸けた戦い。
3年生にとっては負ければ引退の最後の大会。
小さな頃からの目標を掴むため、必死に努力してきたと思います。
日々の結果を見ていると、数字の羅列に見えますが、
1試合1試合にドラマがあり、
そこに関係する選手、部員、ご家族を含めると、
様々な想いがそこには込められていると思います。

そんな中、この夏の予選でも「波乱!」という言葉がたくさん聞かれます。
直前の春の大会で優勝を飾り、この夏も優勝候補と挙げられていたチームが、
初戦で敗戦したり、決勝までたどり着けずに夢破れたり。
一発勝負の高校野球では、ちょっとした流れで形勢が変わります。
大阪出身の私にとって、毎年大阪府予選は注目の的。
母校の活躍を期待しつつも、2強と言われる大阪桐蔭高校、履正社高校が君臨。
その他にも有力私立高校が複数存在し、大阪を制するのは非常に高い壁です。
その2強を春の大会で倒し優勝をした大阪学院高校。
監督が元トップセールスという営業出身の方で、
独自の指導法や、営業出身ならではのマネジメントを行い、
今大会も優勝候補の一つに挙げられていました。
ですが迎えた初戦の同志社香里高校戦を1-2で敗戦。
春の大阪チャンピオンで優勝候補がまさかの初戦敗退を喫しました。

「負けてはいけないというメンタルになってしまった。」
試合後のインタビューで監督が答えた言葉です。
またプロ注目の選手も、「春勝ったプレッシャーを感じた。何が何だかわからない。」
と、試合直後の混乱した様子がありました。
強豪校に勝つには初戦がチャンスという言葉を聞いたことがあります。
熱い真夏の大会で強豪校は初戦にピークを合わせず、もっと先にピークを作る。
最後の大会というプレッシャーを感じる初戦だが、
対する相手は初戦を突破し、勢いを持ってぶつかれる可能性がある。
という理由です。
大阪学院高校の選手の皆さんに慢心はなかったと思います。
それよりも大阪桐蔭と履正社を倒した大阪王者という呪縛。
春の大会以降に注目され、メディアにも登場し、選手を取り巻く環境も変化したでしょう。

負けてはいけない。
という精神状態が体を硬直させ、普段の力を発揮しきれなかったこと。
鋭い打球が相手の正面をつくなど、運にも見放されたこと。
多くの要素が絡んでいますが、心の持ちようが試合結果に現れた、
そんな波乱だったと思います。
メンタルマネジメントの重要性を痛切に感じた試合でした。
組織運営や個人のメンタルトレーニングの重要性に改めて気付かされました。