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高松 秀樹

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第186回:値上げしても伸びる企業

2024/07/06

外食業界では、「焼肉店の倒産ペース」が加速しているとの話題を多く見かけます。

「焼肉店」経営事業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は2024年6月現在で20件。

これまでに最も多かった2019年の26件を大きく上回りそうな勢いです。

要因としては、電気・ガス代や人件費など「店舗運営コストの負担増」に加え、円安による「食肉価格の高騰」などがあげられていますが、度重なる食品値上げなどの「物価高騰」に嫌気がさしている世間のムードなども気になるのか、「適切な値上げ策」を取り入れられなかった会社が多いように感じます。

一方で、「餃子の王将(王将フードサービス)」は、ここ最近のおよそ2年間で「4度の値上げ」を実行していますが、それでも「28か月連続」で「過去最高益を更新中」と好調を継続しています。

「値上げ=客離れ」に繋がらないどころか、過去最高の業績を更新しているのは、人を大切にする企業のイメージが定着していることもあるのかと。

「餃子の王将」では「値上げした分を賃上げの原資にもする」と宣言しており、実際に2024年の春季労使交渉では、基本給の底上げ(ベースアップ)と定期昇給などを合わせて「平均月額3万9162円」の賃上げで妥結しています。

これは、労働組合が要求した「2万220円」を大幅に上回り、賃上げ率の「11.5%」も「過去最高」とのこと。

このように「人への投資に積極的な会社の姿勢」が、商品そのものの味とともにお客さんに伝わっているのでしょうね。