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高松 秀樹

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第181回:ある社内報

2024/06/01

「JR東日本」の社内報が話題です。

水戸支社の運転士と車掌が所属する「運輸区管内」で起きた「人身事故」について、事故を起こした電車を運転していた運転士がインタビュー形式で回答しているのですが、

その「区報(=社内報)」では、

Q:率直な感想は?
A:やってもうた

Q:最年少記録の気持ちは?
A:歴史に残る記録を作った(笑)

などのやり取りが掲載されていたのだそうです、、

掲載を許可した管理者は「社員同士の誹謗中傷ではない」との理由で掲載許可を認めたのだそうですが、

この出来事が大っぴらになったことで、同社は「事実である」ことを認め、

・あまりに配慮に欠けた表現で不適切だった
・今回の事態を厳粛に受け止め、再発防止に努める
・今後、社員教育を徹底する

と、表明しているのです。

人身事故がどのような要因で起こったのか、それは定かではありませんが、私の感覚では、運転士にとってもつらい出来事のはずです。

企業組織における「コンプライアンス」や「ガバナンス」などの重要性が叫ばれている昨今、などという表現を使うまでもなく、「普通の感覚」では起こり得ない、あまりに奇妙な出来事に、驚きを隠せません。

同社とはこれまでにビジネスでのお付き合いがあり、運転士の方々との対話機会も多数いただきました。

その際に、人身事故に遭遇した運転士の方が、その後現場を通過する前後は、動悸がおさまらず、足はガクガクと震えが止まらず、立てなくなるくらいの状況が毎回続いている、と涙目で話す姿を目にしたこともあります。

一体、何がこのような奇妙な出来事を引き起こしたのでしょうか、、ただただ残念です。