HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

岩田 徹

ホーム > 岩田 徹 > 記事一覧 > 第162回 考える力

第162回 考える力

2024/01/19

青山学院大学の2年ぶり7度目の優勝で幕を閉じた今年の箱根駅伝。
直近10年で7回目の優勝という素晴らしい成績。
他の駅伝で負けていても箱根本番で巻き返す力。
青山学院大学の箱根駅伝での強さに感服するばかりです。
10区間で217.1キロを走る箱根駅伝。
選手1人が約20キロの距離をひたすら走り続けます。

今回、青山学院の選手たちは、大会直前の12月初旬にチーム内で
インフルエンザが流行したそうです。
本番1ヶ月前に体調不良で走れない。
それまで積み上げてきたものが一旦リセットされて、復帰後、
急ピッチで仕上げを行う。
予定通りの準備ではなく緊急での準備になり、当日の走りに不安もあったことでしょう。
実際に他の有力チームだった中央大学は、
本番1週間前に登録選手の大部分が体調不良となり、
棄権を考えるほどのチーム状態だったそうです。
何とか棄権は避けて当日走ることができましたが、本調子とは程遠く、
シード権を失うことになりました。

大会に至るまでの過程、そして当日の体調含め、
駅伝という競技はいくら監督が細かく指示したとしても、
どうにもならない要素が含まれます。
今回優勝した青山学院大学で印象に残った選手の一人に、8区を走った塩出選手がいます。
優勝を目前とした8区。2位との差もあり、原監督が直前に出した指示は、
「余力を残して走るように。」だったそうです。
ですが塩出選手は最初から攻めの走りを見せ、途中まで区間記録ペースで走ります。
最後に苦しくなって区間記録は出せなかった、とのことですが、堂々の区間賞獲得。
優勝をさらに手繰り寄せ、盤石なものとしました。

大会後原監督は、
「大きな方向性は示しますが、駅伝はスタートしてから自分の状態を見極めて
20数キロ、100%出していく競技です。
その能力は日頃からトレーニングを考えているかどうかによって、
レースでもできるかどうかになります。それが駅伝での強さです。」
と語られていました。

会社や組織においてもまさにその通りだと思いました。
上長が都度細かく指示をして動かし、部下は上長の指示を待つ状態では、
組織はうまく回りません。
青山学院大学の選手たちのように、日頃から仕事について自分で考え研鑽しているか。
そこにかかってくると思います。
駅伝で学べること、気づけることを会社や組織にも活かしていきたいですね。