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岩田 徹

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第130回 常勝軍団

2023/06/09

サッカーJ 2のF C町田ゼルビア。
開幕から19試合を経て勝ち点42。
2位の大分トリニータに勝ち点差8で堂々の首位を走っています。
このチームの監督に今年から就任したのは黒田剛監督。
昨年まで青森山田高校のサッカー部の監督を務めていた方です。
青森山田高校は先日開催されたインターハイ予選青森大会で23連覇を達成。
県内の連勝記録も397と継続中。
そんな常勝軍団を作り上げ、30年にわたって指導してきたのが黒田監督です。

その黒田監督が教員を退職し、退路を断ってプロチームの監督にチャレンジしました。
開幕前は高校サッカーとプロの違い、
高校生への指導とプロ選手への指導の違いなど、
期待よりもネガティブな声が多かった印象です。
ですが、現段階では首位を快走。
リーグ最小失点と戦い方も安定しています。
ですが、その失点に対して黒田監督曰く、「全て防げた失点」とのこと。
選手全員に失点に対するアレルギーを強烈に持ってもらいたいこと、
1-0の勝利が何より美しいという考えを持っていることを伝えているようです。

黒田監督の組織作りは会社での組織作りの参考にもなります。
中学生を含め330人もの部員を抱える青森山田高校。
12人のコーチと共に強い組織へと作り上げ、維持向上させてきた手腕。
選手個々との距離感を大切にすると共に、
各セクションごとに役割を持ったコーチに現場の指導は任せ、
ポイントポイントで選手、コーチへの声がけをしていく。
一人一人が成長することはもちろんだが、全員でチームを作り上げているのだ、
という意識を醸成することが何より重要とのこと。
一人の強烈な個性に頼り切りになると、その一人が抜けた時にチームはバラバラになる。
それは選手も監督もコーチもそうである。
チームに属する一人一人が主体的にチームづくりを考え、個のスキルアップを果たしているからこそ、常勝軍団が築けているのだと思います。

黒田監督が抜けた青森山田高校は現在も県内連勝記録を続け、
全国大会にも出場しています。
強い組織を作り上げる、というテーマで考えると、
黒田監督、青森山田高校、そしてF C町田ゼルビアを、
今後も注目していきたいと思います。