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益田 和久

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第112回 まずやってみる

2023/04/27

横須賀市が、話題沸騰中の対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」の活用に向けた実証試験開始を発表しました。
既に横須賀市役所内で導入しているビジネスチャットツールに連携して、文書作成や要約、誤字脱字チェックに活用します。
機密情報や個人情報は扱わない方針とのこと。
横須賀市のホームページに掲載された当該リリース記事も、 ChatGPTで下案を作成し、職員の方が校正していました。
1カ月程度の実証期間を通じて、効果的な利用方法を模索するとのことでしたが、今後においてその使途範囲は広がっていくような気がします。

横須賀市を追うように埼玉県戸田市にも、同サービスの調査チームを立ち上げました。
8月までに自治体現場の実務に即した形での改善案を提案して10月までに報告書を作成する予定だそうです。
最終的には「自治体業務におけるChatGPTの活用ガイド」として他自治体も参考になるように公表するそうです。
公表されたとき、前例主義の自治体では、導入を検討するところが一気に増えるのではないでしょうか。

自治体の研修に長年登壇しているので、職員の方とお話しすることも多いのですが、AIで対応できる業務は結構あるような気がしています。
ChatGPTについては、能力の高さや有用性が多方面から評価されています。
一方で(現段階で)情報の信憑性に疑問符がつく事案も多いことや、人が考えなくなるのではないかという懸念から、導入に否定的な声があることも事実です。

チャットGPTの効用については以前も書きました。
この手のツールは、使ったほうがいい人(団体)が、使うべき場面で有効活用することが大切です。
ChatGPTは、時代のニーズに応じた産物であり、今後も時代の流れに応じて着実にアップデートをしていくでしょう。
そして将来的には、当たり前のように社会インフラに組み込まれるものだと思います。

横須賀市は、自分たちはChatGPTを使ったほうがいい団体だと認識し、使うべき場面があると思ったから活用に踏み切ったと認識します。
現時点では賛否両論あるでしょうが、新しいものを導入するときは、必ず賛否両論あります。
まずは使ってみないと、いいか悪いかもわかりません。
また使ってみることによって、もっとこんな使い方はできないだろうかというアイデアも出てくるでしょうし、こんな使い方はあんまりよくないなという教訓も出てくるでしょう。
いずれにしても、それが業務の合理化、効率化につながっていくなら、人はサービスと上手に向き合い、お互いがアップデートしていくことを目指すべきだと思います。

ChatGPTをはじめとして、時代の流れに応じたサービスが、日々リリースされています。
全てのサービスを検証することはできませんが、自分のアンテナにひっかかったものについては、まずは情報収集、分析をしてみる。
その上で、自分は使ったほうがいい、使うべき場面のイメージがついたらトライアルをしようと決意した、繁忙期の4月でした。