第114回 この人に聞く!~人・組織が羽ばたく時~
2023/03/12
株式会社MONET 代表取締役 前野 泰章様(其の2)
今回の対談は、株式会社MONET代表取締役 前野 泰章様にご協力頂きました。
株式会社MONET様は、創業からITセキュリティを中心としたビジネスを展開されており、現在は「人生のセキュリティ」として、終活支援データサービス「まもーれe」を展開されております。
今回は株式会社MONET代表取締役 前野 泰章様のキャリアについてお話しを伺います。
金山:先週は、会社紹介と創業ストーリーについてお話しを伺いましたが、終活支援データサービス「まもーれe」をはじめる前のキャリアについてお話しを聞かせてください。
企業向けのセキュリティビジネスを展開
「まもーれe」をはじめるまでの、僕個人の経歴としては、企業向けのITセキュリティビジネスをやっていました。
アンチウイルスですね。
コンピューターが感染しないようにとか、感染が原因で情報漏洩しないように、というところからのスタートでした。
だんだんデジタル犯罪というものが高度化してきて、その対策のために海外製品を日本の総代理店となって販売するといった仕事をしていました。
IT商社のような形です。
海外製品の日本の窓口として、SIerさんを介してお客さんに導入して頂くケースがほとんどでしたね。
海外での売り方と日本の売り方って全然違いますから、同じ商品でも説明の紙芝居が違うっていうのですかね。
売るルートも違いますしね。
まずは海外で発生している問題ややるべき対策など、セキュリティの根底の話しをして、それを浸透させるのが仕事でしたね。
金山:なるほど。
会社を起こしたのはいつ頃だったのですか。
どのようなきっかけがあったのか聞かせて頂けますでしょうか。
起業家精神に富んだ起業ではなかった
会社を起こしたのは2002年ですね。
ちょうど丸20年経ちました。
もともと僕が最初に働いたのが防衛商社でした。最初は戦闘機のエンジンを僕は売っていました。
売ると言っても売り先は1カ所しかありませんから、誰かにこれ買ってくれないというような話ができるものではなかったのです。
防衛省(当時、防衛庁)、もしくは石川島播磨重工業(IHI)というエンジンを整備している会社です。
そこが調達するかしないかで売れるか売れないが決まってしまうような仕事でした。
それも10年サイクルくらいの仕事なので、目に見える成果と言いますか、達成感が感じにくい仕事でした。
それを3年くらいやっていたのですけど、さすがにもうちょっと自由に働きたいという欲が出まして、会社を辞めるって騒ぎ立てたのです。
そしたら「どの部署だったら残るのだ」という話をもらいまして、その商社の中で唯一お客さんが多いこぢんまりとしたIT部署に残ることになったのです。
そこがアンチウイルスを中心にやっていました。
まだその頃は、ITビジネスなんていうのは、今ほど脚光浴びる時代ではなくて、本当に細々って言った方が正しいような時代だったのです。
そこで7年ぐらいやっていたのですが、その商社がITから撤退するという話になりまた。
アンチウイルスを除いて、取り扱っていた多くの商材の引き継ぎ先が決まっていませんでした。
それらの商材を好きなように持っていってい良いという話になったのです。
僕がその部署にいたときにスタートさせたビジネスもあったので、その商材ともう一つの権限を引き継いだのが起業のきっかけですね。
なので、起業家精神に富んでスタートしたわけではなかったのですね。
金山:そうだったのですね。
会社を起こして20年とのことですが、スタートから順調だったのでしょうか。
起業からの道のり
そんなことはなくてですね、会社を始めたころはバージョンアップツールが主軸で、それ以外収益が上がるようなものっていうのはなかったのです。
ただ、抱えたものに関しての責任はありましたし、いい加減なことはしたくありませんでしたから、権限をもらった2つの製品についてはしっかりとやらせて頂きました。
そして起業から3年目にコンサルティング事業部というのができたのですよ。
内部統制報告制度(SOX法)が日本に導入となり、日本版SOX法(J-SOX)で、IT監査が必要になったなのですが、監査法人はそういう人材を持っていなかったのです。
そこの部分を手伝えないかというお話があり、コンサルティング事業部をスタートすることになりました。
それがかなり伸びまして、会社を牽引したのです。コンサルタントが必要なビジネスでしたので、監査法人との契約に併せて人を増やしていったのです。
ただ、結果的にこのビジネスが自分の首を絞めることになりました。
リーマンショックの時にコンサル担当の人たちが一人待機、二人待機と、どんどん待機する人数が増えました。
それなりに給料も払っていましたので、このままだと会社潰れちゃうかなって。
かなりギリギリでしたね。
そしてその時に一番辛かったのは、一生懸命働いてくれた人たちをカットしなきゃいけなくなったことですね。
多くの人たちは契約先の監査法人に転職できたのがせめてもの救いでしたね。
そしてもう一つ大変な波が東日本大震災でしたね。
決まっていた大きな案件が3つ流れちゃいまして、ダメージが大きかったですね。
ただ、リーマンショックの時もそうですし、東日本大震災の時もそうだったのですが、国が助成金や、安価な借り入れができましたので、何とか乗り切ることができました。
金山:20年も事業をされていると山あり谷ありですよね。
お話し頂きありがとうございました。
次週は前野様が描く今後のビジョンについてお話し聞かせてください。
会社情報
事業所名:株式会社MONET
所在地:千葉県千葉市稲毛区園生町849-3
事業内容:
・ソフトウェアの販売
・システム提案
・コンサルティングサービス
サービス:終活支援データサービス「まもーれe」