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金山 正明

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第32回 この人に聞く!~人・組織が羽ばたく時~

2021/07/18

Bish株式会社 代表取締役 齋藤 吉秀様(其の4)

先週に引き続きBish株式会社 代表取締役 齋藤 吉秀様にご協力頂きました。
Bish株式会社様は、M&Aマッチングサイト(ビジネス売買プラットフォーム)「Bish」の運営とハンズオンで支援するM&Aのアドバイザー業務を展開されております。
今週は最後の結びとして、私が今回の対談から得た学びと気づき、そして人、組織の育成に活かすためのポイントをお届けします。

今回齋藤さまとの対談で特に印象に残ったのは、組織統合の難しさについてです。
シンプルにシナジー効果を得ようと買収をしたとしても、組織を統合し思った成果を得るまでには越えなくてはならない壁がいくつも存在するようです。
特に企業を作り出している「人」の問題はそう簡単ではなさそうです。

昨年話題となったコロワイドによる大戸屋ホールディングスへの敵対的買収は記憶に新しい出来事ですが、こだわり抜いてきた店内調理を否定され、工場生産のセントラルキッチン方式を強要されるなど、合理化を徹底するコロワイドとの社風の違いに社員の退職は後をたたないそうです。
これは極端な事例ですが、経営統合では大なり小なり社員間の軋轢はありそうです。

譲渡企業の従業員の感情を大切にする

今回取材のご協力を頂いた齋藤様のお話しにもありましたが、譲渡企業の従業員の立場にたって買収側との調整を行うことは、経営統合後の最優先事項だと私は思います。
それは、譲渡企業の従業員は様々な不安を抱えているからです。
今回齋藤様にご紹介頂いたケースの中では、給与面や評価といった部分での反発が多かったとの事ですが、経営方針や理念の違い、文化の違いなど、様々な違いの中で不安を感じていることでしょう。
それぞれの「不安」という感情に向き合って答えを出していくべきだと思います。

下記D.カーネギーの名著「人を動かす」からの抜粋です。
「およそ人を扱う場合には、相手を論理の動物だと思ってはならない。 
相手は感情の動物であり、しかも偏見に満ち、自尊心と虚栄心によって行動するということを、よく心得ておかねばならない。」

M&Aのみならず、組織として成果を求めるには、お互いの不安を取り除き関係性の質を高めていくことが大切になりますね。

関係性の質が結果の質を生み出す

経営統合後にシナジーを生むためのヒントとして、MIT組織学習センター共同創始者のダニエル・キム氏によって、提唱された「成功の循環(Theory of Success)」モデルをご紹介いたします。

より良い組織を生み出すフレームワークとして、多くの組織開発の実践の中で活用されています。

「成功の循環」モデルでは、「関係の質」を高めることで、相互理解を深め、お互いを尊重し、自然と考え方も前向きになり、目的意識が高まって「思考の質」が向上します。
それが人々の積極性や主体性、自発的行動につながり、「行動の質」を高め、成果が生まれて「結果の質」につながります。
すると、ますます「関係の質」が向上する、といった循環が生まれるそうです。
組織の基本はあくまで人、人の感情を大切に「関係の質」の向上を図ることでシナジーを生みやすい組織づくりに繋がるのではないでしょうか。

今週はBish株式会社様との対談から得た学びと気づき、そして人、組織の育成に活かすためのポイントをお届けしました。
ご協力いただきましたBish株式会社 代表取締役 齋藤 吉秀様には感謝申し上げます。
これからの益々のご発展をお祈り申し上げます。

会社情報

会社名:Bish株式会社
本社:東京都新宿区若松町8番8
コーポレートサイト:https://bishgroup.net/corporate/
事業内容:・M&Aマッチングサイト(ビジネス売買プラットフォーム)「Bish」運営
・M&A仲介・アドバイザー業務
・起業・スタートアップ支援業務
・コンサルティング